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『夏の終わりに線香花火』

でなんか書いてみよー。のやつです。

急遽これを書きたくなって2つになりました。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


かわいいじゃん

弟が言った。


かわいいじゃん

母も言った。


うーん

父は唸る。


うーん

私も唸る。


いい子ですよー


店員が攻めてくる。

全然吠えない子ですし、何より頭がいいんですよ、血統書ももちろんありますよ

止まらない。ここぞとばかりに営業トークだ。


ほらねー、いい子なんだよ!

弟がそれに乗る。


ねー!かわいいでしょ

母もそれにの…乗ってると思う。


うーん

父は唸る。


私も唸りたい。


ここは本来、野球をするためのドームなのだが…今日は犬畜生共のイベントが開かれるということで家族揃って遊びに来たのだ。


しかし、早々に疲れた私と父は観客席で座っていた。


そろそろ帰るために、呼びに戻ろうかと立った所に、母と弟と知らない人と、その人が抱える人形みたいな畜生が来たのだ。


そこからこのやり取りが続き、もう1時間が経とうとしている。


私は疲れたので

ねぇ…これ飼わないと帰れないよ


そう父に告げた。




こうして、家に犬畜生が来た。


ケージという名の柵で囲んだ空間にぶっこまれて、ビクビクしていたのは1日だけだった。


そう、この犬畜生、元気いっぱいもりもり太郎くんだったのだ。


こんなに小さい身体のどこにその体力があるのか。どこにそのパワーがあるのか。柵を飛び越えるんじゃないかというほどジャンプし…吠える。

おい店員、吠えない子じゃなかったのかよ。

ワンワンじゃない、キャン!キャン!!だ。耳が割れる。いや、頭が割れるというべきか。


ただ、不思議なもので人はどうやら環境の変化に対応していくらしい。慣れてしまった。



あんなに小さかった犬畜生は、気づくと柵を飛び越えるパワーと大きさになっていた。もう犬畜生を縛るものは無くなっていた。


そして、犬畜生が犬畜生である所以、そう、そこら中でマーキングしやがるのだ。

都度、バチボコに叱られるのだが、、、


私はわかる。こいつわかってやっている。


置いて行かれた時、おやつをくれない時、散歩に行かせてもらえなかった時、相手にしてもらえない時、大概そんな時だ。


もちろん、私の部屋でもする。むしろ敢えてしに来ている。私が犬畜生と呼ぶようにこいつも私の事を人畜生として見ている節を感じる。


世話をすると言っていた母も弟は、予想通りしなくなり、可愛がる担当になって、


結局、父がしつけと、ついでにいくつかの芸まで仕込んでいた。


私は噛まれる担当だ。


よーしよs…ほら、言い切る前に手が血だらけだ。


蹴っ飛ばしてやろうか犬畜生め。


小さいくせに態度だけは大きい。



そんな中、私は進学の為に東京へ。

さらば犬畜生。さらば噛み跡。さらばマーキング。

お盆や年越しには帰ってくるからそんな寂しそうな顔…してねぇな。



とまぁ、そんなこんなで年越しに実家に戻ると、なんか増えていた。

犬畜生が2匹になっていた。


どうやら、新しい方は近所のブリーダーさんのとこを脱走して来たらしい。

曰く、『その子は後ろの片足が駄目だから処分する予定だよ、欲しいならあげるよ。諸々はあんたんとこでやるならね。』

との事で貰ってきたらしい。たしかに後ろ足がおかしい。3本の足でひょっこひょっこ動いてる。


犬畜生1は、相変わらず元気よく出迎えてくれる。やっぱり血だらけになる。

犬畜生2は、おとなしいけど、遊ぶ時は全力だ。

1とか2は言い辛いな。2の方は黒いから黒畜生にしよう。


実家に帰ってもやる事が無いので観察してみると、黒畜生はおとなしいんじゃなくて、あざとかった。犬畜生にギャンギャンに吠えさせ、自分は黙っている事で、さも私は良い子ですよ。とアピールしている。

さらには、こういうのが欲しいんだよね?をわかっているかのような動きで擦り寄って来る。

さすが劣悪な環境で、明日を生きる為に必死だっただけの事はある。

まぁ、わいわいがやがや、していてなによりであった。

それから、たまに帰っては犬畜生の相手をしていた。



数年後の年越しに帰省した際、なんかまた増えていた。

今度は白い畜生だった。白畜生にしよう。


どうやらペットショップに行った際に目があってしまったようで。

曰く、『この子、どうしても売れ残っちゃってぇ、腰が悪いみたいなんですよねぇ、だから処分価格ということでぇ、こちらの価格なんですぅ』

という事を聞いて飼うことにしたらしい。たしかに腹辺りを触ると嫌がるし、逃げる。


この白畜生、驚くほどに頭が悪い。いや、畜生共に『かしこさ』なんて項目は無いろうと思ってたけど、犬畜生と黒畜生は、ちゃんと言葉を理解してるし理解しようとするのが表情から読み取れる。

けど、この白畜生、まじで聞かないし、理解しない。食い物第一主義過ぎる。

まさかおやつを上げるときに、指ごと持っいてかれるとは思わなかった。



畜生共にも個性があるんだなぁと感じつつまた数年。

母から連絡が来た。


どうやら犬畜生が『てんかん』になってしまったようだ。

曰く、『お医者さんで薬もらって収まってるけどどうなるかわかんない』

との事だったので顔くらいみてやるかと帰った。


よぉ、犬畜生、お前、やばいらしいn…

手が血だらけになった。元気いっぱいもりもり太郎くんじゃねぇか。

興奮させないで!と母から怒られたが、全然元気そうだった。



そして数年。

まだまだ元気であった。

相変わらず油断すると手が血だらけになる。

と思っていたのだが、歳には勝てないのか、はたまた停戦協定でも結ぼうというのか、元気もりもりだけど元気もりもりでは無くなっていた。

噛み跡が残らなかった。

それでも散歩には行きたがるし他2匹の畜生もいるのでなんだかんだ楽しそうであった。



それからちょっとして、コロナが流行り出し、いろいろあって仕事を辞めた。

実家に帰ると白と黒の畜生が出迎えてくれる。犬畜生は外を見ている。声をかける、尻尾だけ反応する。

相変わらずのやつだった。しょうがないので帰ってきたぞーとご挨拶に撫でてやr…

ちゃんと噛み付いてきたので元気そうだ。


少し痩せた感じもある。オムツもつけている。

考えてみると、もう15年になる。そりゃ老人になっちゃうか、老犬か。

そんなこんなで、私はこれまで、お仕事やお仕事やお仕事を頑張った自分へのご褒美に1年くらい引きこもりをしてやろうと意気込んでいた。


しかし、世の中やはり金、なので結局はあれやこれやと小銭を稼ぐ毎日なってしまっていた。



そんな雑に生きて数年、偶然が重なって大阪で働く事になった。

さらば畜生共。さらば飯やり。さらばお散歩。



そして、半年ほど経った頃

母から連絡が来た。


どうやら犬畜生の体調が悪くなったらしい。

曰く、『腎不全で70%くらい機能してないみたいで身体中に影響が出ちゃってるみたい』

との事だった。


私は知っている。母が話を大げさに言う事を。

前回の『てんかん』の時もそうだった。あれだけ騒いだのに元気もりもり太郎くんで私の手は血だらけになった。



そう思っていた2日後、木曜日の夜に

父から連絡が来た。


曰く、『お医者さんにぶっちゃけどう?って聞いたら持って1週間だって』

との事だった。


私は知っている。父も話を大げさに言う事を。なぜならコロナ禍で仕事を辞めて帰った理由の1つに

『母の心臓病が悪化して1年持たないって医者に言われた』

という父から連絡があったというものがある。

母は今も相変わらず元気だ。

まぁ、でも土曜日は夜まで遊ぶ予定があるから日曜日に顔だけ見に帰るかと思い、その旨だけ伝えた。


土曜日、意外と早めの解散であった。もっと遅くなるかと思ってたけど、夜ご飯を食べに行けるくらいだ。

…終電使えばぎり実家に帰れるか…?

いや、そこまでする事でもないだろ。始発で充分だ。



朝。眠い。始発。


なんとか新感線に乗る。寝よう。



ゴトッ。



スマホを落としたらしい。目が覚めた。

画面を見ると電話が鳴っていたようでマナーモードだったから震えて落ちてしまったらしい。


とりあえずメッセージを見る。父からだ。

『7時前から、呼吸が荒くなったよ。何時頃着きそう?』

胸が苦しくなった気がした。

今日も仕事のある父が、わざわざ送ってくると言う事は余程の事かもしれない。


まだ1時間はかかる。


返信は無い。



次の乗り換えで30分後には着く。



返信が来ないって事は、結局落ち着いて、二度寝したんだろう。




駅に着いた。


メッセージが来る。着いた事を伝えようと開く。





『今、虹の橋、渡っちゃったよ』




…え?




とりあえず急ぐ。

早歩きだ。

嘘だ。走っている。




またメッセージが来る。



『犬との十戒、最後の約束、母さんと守ったよ』



ああ。足が止まりそうになる。


もう着く。鍵、開けといて。


それだけ送り、走った。


久し振りに走った。大した距離じゃないのに心臓が痛い。




玄関を開け、リビングの扉を開ける。



犬畜生が寝ていた。



畜生共が使うかもしれないと買ってきて、誰も使わず洗濯物置きにされていた、犬用の小さなベッドの上で寝ていた。


撫でてやる。


温かい。暖かい。いつもよりは低い体温なのかもしれないけど、いつも通りの元気もりもり太郎くんで噛み付いてくるんじゃないかと思わせる。



けど、


どれだけ撫でても、どれだけ触っても、どれだけ嫌がらせをしようとも、反応なんて無かった。


ああ。ダメだ。犬畜生め。



どうやら、ここ数日毎日げろげろで、面倒を見ていた母もまともに眠られないほどだったようで。

曰く、『急に呼吸が荒くなって、身体もどんどん苦しそうになって、激しくなって、、、抱きかかえてあげたら安心したのか、落ち着いてそのまま…。』

ということだったらしい。



犬畜生のくせに。


柵も越えられなかったくせに。


吠えないと思わせてくっそ吠えたくせに。


そこら中でマーキングしたくせに。


噛み跡付けまくったくせに。


くだらないし、嫌な記憶ばかりなのに、

全部しっかりと残っている。


犬畜生のくせに。



この涙はなんだろうな。

悲しいからか。


それとも

昨日の夜帰らなかったからか。


ごめん。


考えてみれば、最初の連絡の時、腎不全で70%が機能してないなら、もうよほど無理してたんだよね。


ごめん。


ごめんしか出てこない。


わかってる。そんな事、なにも気にしてないし、考えてないって事も。わかってる。犬畜生なんだから。わかってる。


なのに。

止まらない。


少し離れる。


思考がぐちゃぐちゃだ。




反応の無い犬畜生に他の畜生共が近づく。



吠える。



吠えている。


犬畜生に向かって


あのあざといだけの黒畜生が吠えている。


あの飯の事しか頭に無い白畜生が吠えている。





無理だ。




ちくしょう。





あいつは


あの子は


小さくて、大きかった。


止まらない。


小さかったくせに。


全然こんな気持ち無かったのに。


なんで今、こんなに。





止めどなく溢れ出し






弾け続けた。







『夏の終わりに線香花火』

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『夏の終わりに線香花火』

で何かしら書こう。のやーつの2つ書いた内の1つです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



パチ、パチ、パチパチ


まばらな拍手。


もういいや。



特に何かあったわけでも


特にこれといった理由があるわけでもない


ただただ


もういいや。


そうなっただけ。



批評家気取りのご機嫌とり


ヘコヘコヘコヘコ


毎日毎日毎日毎日


同じ作業の繰り返し



好きだった事も


好きでありたいから


好きだったはずだから


好きな瞬間がきっと来るから



続けることに必死になって


そこに居るためにしがみついて


何が好きなのかもわからなくなって


何をしているのかもわからなくなって


それでも続けてきた。




だって




ここまで来たのだから。


ここまで来たのに


もう戻るなんてできない。


違う所なんか見えないし、行かない。




だから




一生懸命走っていた。



真面目に


そう真面目に。


ただひたすらに愚直に。


それが正とされる世の中だから。


正しいことが正解だから。


正しく真っ直ぐに進めば間違えない。


負けることも誤ることも


邪念なんかわかないし、奇人変人に見られるわけなんてない。


従属も副作用で異常な事が起きる事もなく


順調に順風に清く正しく清廉に


努力は裏切らない。



足らないから、できない。


足りないから、やれない。


走れてない。


もっと早く


もっと足を動かせ


そしたら結果が必ず



報われる。



ハッピーエンド


どの世界も


どの物語も


そうだったから。



あの人はすごいから


すごいから肩書きがある。


すごいからキャリアがある。


すごいから言う事は正しい。


それを信じて進めば間違いが無い。



躓くのは


転けてしまうのは




全て自分が悪い。




そう思ってた。




けど




もう止まってもいいよね。



でも


走り過ぎて止まり方を忘れてしまった。


止まれない。


止まらない。



頑張れ


頑張れ自分。



正しさを正しくあれば


努力は必ず報われるから


諦めるな。




パチ、パチ、パチパチ


まばらな拍手。



まただ。



もっと盛り上がって欲しかった。


もっと笑って欲しい。


もっと楽しんで欲しい。


もっと、もっと、もっと。




何してんだろ。




ああ。



そうか。



そういうことか。



止まれないなら止まらないなら


進み続けよう。


そして自分の全てをぶつけよう。


それでいい。


それが正解だ。


いつだって正しく正しい選択をしてきた。



さぁ、行こう。



打ち上げるほどのものでもない


狭い世界の小さな小さな自分なりの抵抗


精一杯、最大限を出し切るために


1歩、


1歩、


前へ。




私は


夏の終わりに線香花火を


散らしてみせた





【あらすじ】

きつね…?


【所要時間10分〜不問2】

1人称や語尾、アドリブ、セリフの追加性別変更○


【登場人物】

【A】不問

たぶんボケより


【B】不問

たぶんツッコミより



ーーーーーーーーーーーーーー



A:こんこん


B:よいしょ…


A:こんこんこん


B:…ふぅ


A:こんこん…


B:…


A:こん…


B:あーもう!わかったわかった、おいで


A:こーん!


B:はぁ…念願のリモートワークがようやくできるかと思いきや…まさかの伏兵だよぉ


A:こん?


B:くそー、かわいいなー、こいつぅー!


A:こーん!


B:…


A:…


B:満足?


A:こん?


B:いや、もういいて


A:…?


B:…?じゃねぇよ!


A:…こん、こんこん


B:ふぅ、やれやれ、みたいにすな。もう満足したでしょ?


A:してないけど?


B:してないの!?


A:むしろ、足らないんだけど


B:いーや、きついって、、いい年こいて、『こん、こーん』とかきついって!!


A:ひどい!


B:事実だろ!!


A:ぴえん!!!


B:ぴえんじゃねぇよ!


A:こ、こ〜ん


B:パンチしていい?


A:はぁ…ほんとは可愛いって思ってるくせに、照れ屋さんめ!


B:うるせー、数ミリくらい思ってたかもしれないけど、今ので消えたわ


A:思ってたじゃん!可愛いって自白してるんじゃん!


B:数ミリな!す、う、み、り!!!


A:なんだよー、じゃあ、どうしたらよかったんだよー


B:しらねー


A:まぁ、いいや、じゃ、交代ね


B:は?


A:え?


B:どゆこと?


A:順番こでしょ?


B:はい?


A:羨ましそうに見てたじゃん!


B:見てねーよ!?


A:うんうん、、嫉妬でしょ、わかるよ!自分のがもっとできるってなったんだよね!?


B:なるわけないよね!?


A:はーあ、いつもそうなんだから、はいはい、やるよ


B:やらないが!?


A:なんでもそうでしょー?奢ってもらったら、次は自分が奢るとかさ、一つしかないゲームで遊ぶなら交代交代でやるとかさ

B:それとこれとは違うくない!?


A:一緒だよ!みんなも見たいよね?


B:皆!?皆て何!?ここ自分の部屋なんですけど!?


A:そこだよ、ほら


B:どこ見てんの!?


A:え!?いるじゃん。こっちから…


A:べっぴんさん、べっぴんさん、一つ飛ばしてべっぴんさんが!!


B:いやいや、何が見えてるのかわからんけどさ!!一つ飛ばしちゃだめだよね!?


A:?


B:飛ばした人もべっぴんさんでしょーが!


A:えー、そうかなー、ちゃんと見てよ


B:…わかったよ、えっと…


B:べっぴんさん、べっぴんさん……ぁー…べ、べべ、べべっぴんさん、べっぴんさん、ほら!!


A:ぁー、ってなったじゃん!


B:ぐ、ぐぬぬ


A:『べ、べべ、べべっぴんさん』ってなってたじゃん!わかったでしょ!


B:いや、演出ですからね、これね、ほんと、皆さんべっぴんさんに、ハンサムさんばかりですからね!


A:…さむ


B:え?


A:なんかさ、そういうの、どうなの?


B:ええ…


A:しかも、一人で壁に向かって話してるし


B:お前が始めたんでしょーが!!!


A:べ、べべ、べべべっぴんさん…ぷぷつ


B:殴るよ!?


A:きゃー、こわーい


B:こいつ…!


A:よし、わかった


B:殴られる気になった?


A:なってないよ?


B:じゃあなんだよ


A:はい、3、2、1、きゅー!


B:…へ?


A:…


B:…え、なに、え?


A:ちょっと!!放送事故だよ!!


B:いやいやいや


A:皆待ってるて言ったでしょ!見て、この空気!!どうするの!?こっちが辛いよ!!


B:誰のせいだよ!!


A:ほら、こんこんやって


B:それかよ!!


A:それだよ!!


B:さっきので流れたかと思ったわ


A:やっぱりね!どさくさに紛れて逃げようとしてるのバレバレだから!


B:だから、お前がが始めたんだからな!わかってる!?


A:ちょっと何言ってるかわからないですね


B:こんの野郎


A:お?


B:あ?


A:こんって言ったね


B:言って…言ったな


A:ほらー!


B:あれは違うだろーが!


A:減るもんじゃないしー、いいでしょー


B:ゴリゴリに減るよ!メンタルが!!


A:なんでもいいからさ、早くやって


B:まじでさぁ、、、はぁ…ほんとに?


A:ほんとに


B:…


A:録音の準備もバッチリだよ!


B:録音するならやらない


A:う、しませんしませーん!はい、消した、はい、やって


B:くっ…


A:ドキドキ


B:……こん


A:おお!もう一息!


B:…っ…こんこん!


A:いいね!今度はあっちに向かって!


B:こん!


A:はい、反対に!


B:こん!


A:くぅー、かわいすぎるぜ!!そしたら…おすわり!


B:こん!


A:たっち!


B:こん!


A:ジャンプ!


 


B:こん!


A:おちん---


B:やらねーよ!?


A:え、なんで!?


B:やらねーから!


A:おわり?


B:おわりだよ!


A:えっと、たしか、お、あったあった、えいっ


B:100円渡されても…やらんが?


A:?200円タイプかー


B:コンテニューってこと!?ゲーセンでゲームオーバーした時に再プレイする時のあれ!?あれをやろうとしてんの!?コンテニューしねぇよ!?


A:やったー!


B:しねぇって!


A:こんって言ってくれたぜ!


B:はぁ!?なんだこいつぅうう


A:こんこんこんてにゅー!いえーい


B:落ちるとこまでIQ落ちたな、おい


A:ジー……こんこんこんて?


B:ぅぐ…


A:こんこん?


B:…


A:こんこん?


B:…こんてにゅー!


A:こんこんー!


B:はい!もう終わり!おしまいおしまーい!!



おしまい





【あらすじ】

最強を自負するヒゲとカミソリの熱き闘いが今繰り広げ…?


【所要時間10分〜不問3】

1人称や語尾、アドリブ、セリフの追加性別変更○


【登場人物】

『ヒゲA』不問

ヒゲAです。

『ヒゲB』不問

ヒゲBです。

『カミソリ』不問

カミソリです。



ーーーーーーーーーーーーーー



ヒゲA:今日も来やがったぜ


ヒゲB:今日も来たようだな


ヒゲA:性懲りも無く


ヒゲB:我らに敵うわけも無く


ヒゲA:挑みにくるとは


ヒゲB:まさに笑止千万!!


カミソリ:え、えっと…


ヒゲA:おや?


ヒゲB:おやおや?


カミソリ:あ、どうも、カミソリです


ヒゲA:ふっ、新人か


ヒゲB:新人だな


カミソリ:あの、対戦よろしくお願いします


ヒゲA:おうおう


ヒゲB:おうおうおうおう


カミソリ:…随分と高圧的なんですね


ヒゲA:んん?


カミソリ:その…研修場では、ビクビクしてる方達ばかりでしたので


ヒゲB:はっはっは、貴様ら如きの性能試験に居るような連中と、比べらてもらっては困る、なぁ?


ヒゲA:同じと思わないでくれよ?


カミソリ:そうなんですね


ヒゲB:どうやら我らの事を甘く見ているようだな


カミソリ:えーと、そんなつもりは…


ヒゲA:ふん!!では…我らの宿主が!我らに対して!!


ヒゲB:どう迎え撃とうとしたのか!!


ヒゲA:とくと教えて!!


ヒゲB:しんぜよう!!


カミソリ:えぇ…


ヒゲA:まずは、いつものカミソリ、T字くん!あいつも最初はイキり散らかしてきたなぁ!


ヒゲB:だが!ただ鋭いだけの刃など、我らの強靭な身体に傷をつけること叶わず!


カミソリ:??


ヒゲA:我々はただ硬いのでは、ない!!


ヒゲB:みよ!!ぷるんっぷるんっ!!


カミソリ:え?


ヒゲA:この柔らかさ、圧倒的柔軟性!!


ヒゲB:カチカチでありヤワヤワであるのだ!!


カミソリ:へ、へー


ヒゲA:結局、T字くんが剃れたのは平面上のみ!


ヒゲB:凹凸面では、なにもできず!!


ヒゲA:あげく怒り散らかし、無理な方向へ


ヒゲB:見事に宿主を傷つける始末!!


カミソリ:あぁ…なるほどです


ヒゲA:我らの


ヒゲB:圧倒的勝利!!


カミソリ:すごいですねー


ヒゲA:そして、次は毛抜きくん


ヒゲB:あいつも最初はイキりちらかしてきたな


ヒゲA:『このボクに抜けない毛などないさ』


ヒゲB:などとほざいていたが


ヒゲA:我ら、地中奥深く、


ヒゲB:深層も深層


ヒゲA:アビスのさらに奥へ


ヒゲB:深淵のその先から伸びゆく身!!


ヒゲA:カチカチカチカチうるさいだけの小童なぞ


ヒゲB:相手にならぬのよ!!


カミソリ:そうだったんですねー


ヒゲA:結局あいつは、ただただ我らを引っ張るのみ


ヒゲB:大地の表面を揺らすことしかできなかったのだ!!


ヒゲA:圧倒的ぃ、圧倒的


ヒゲB:大勝利!!


カミソリ:すごーい


ヒゲA:そんな、我ら剃り残しブラザーズに


ヒゲB:貴様は今から挑もうというのだ!


ヒゲA:どうする?


ヒゲB:それでも挑むというのか?


カミソリ:あ、はい、対よろです


ヒゲA:無知!


ヒゲB:無垢!


ヒゲA:その純粋さ!


ヒゲB:素朴さ!! 


ヒゲA:それ故に傷付くことになるとも知らず!


ヒゲB:ああ、なんと哀しきことか!


カミソリ:あの…


ヒゲA:だが、我らとて武人!


ヒゲB:挑戦には全力で応えよう!


カミソリ:あ、はい


ヒゲA:さぁ!


ヒゲB:こい!!


カミソリ:じゃあ、いきますねー、スイー


ヒゲA:来たか!


ヒゲB:来たな!


カミソリ:スー、ズッ


ヒゲA:だが!!


ヒゲB:効かぬ!!


ヒゲA:媚びぬ!!


ヒゲB:かえりみぬ!!


カミソリ:ズッ…


ヒゲA:はっはっは


ヒゲB:やはり貴様もT字くんと同じだ!


カミソリ:あの、動いてもいいですか?


ヒゲA:ぬ?


ヒゲB:ぬ?


カミソリ:スイー


ヒゲA:なにぃ!?


ヒゲB:我らの強靭な身体を持っても止められぬだと!?


カミソリ:ス…


ヒゲA:だが!!!


ヒゲB:我らとて…!!


ヒゲA:みよ!!


ヒゲB:奥義!!


カミソリ:スイー…


ヒゲA:『貴様が切ったのは残像だ』


カミソリ:…え?


ヒゲB:ふははははは、これこそ奥義『貴様が切ったのは残像だ』だ!!


カミソリ:えと…


ヒゲA:我らの強靭さと、しなやかさだからこそできる、刃の流れに沿う動き!!


カミソリ:あー…


ヒゲB:そう絶望するでない


ヒゲA:この技を出させるとは貴様も相当な強者であった


ヒゲB:しかし、我らが一歩も二歩も上手だった


ヒゲA:それだけの話よ


カミソリ:あの…


ヒゲB:T字くんが懐かしき事よ


ヒゲA:あやつも何度も何度も挑み続け、ようやくこの技を我らに出させたのだからな


カミソリ:…


ヒゲB:新人、よくがんばったな


ヒゲA:楽しい戦いだった


ヒゲB:今日は帰ってゆっくり休むのだな


カミソリ:いや、えっと、その


ヒゲA:ん?


ヒゲB:なんだ?


カミソリ:ボク、5枚刃なんですよ


ヒゲA:へ…?


ヒゲB:ほ…?


 


カミソリ:まだ後3回は行きますよ?


ヒゲA:だにぃ!?!?


ヒゲB:しかし、我らの奥義の前では


カミソリ:スイー


ヒゲA:奥義


ヒゲB:『貴様が切ったのは残ぞ…


カミソリ:スイー


ヒゲA:奥義


ヒゲB:『貴様が切っ…


カミソリ:スイー


ヒゲA:奥…


ヒゲB:『貴様がきっ…


ヒゲA:くそ!ま、間に合わぁあああ


ヒゲB:う、うぎゃぁああああ


カミソリ:スー




カミソリ:…ん?あれ?


カミソリ:剃り残しブラザーズさん…?


ヒゲA:…ビクビク


ヒゲB:…ピクピク


カミソリ:じゃあ、もう一回いきますねー


ヒゲA:ひ、ひぇえええ、いやだぁあああ


ヒゲB:うわああああ、や、やめてく------


カミソリ:スイーーー




カミソリ:ふぅ、対ありでしたー


おしまい




《ジャンル》

ファンタジー


《あらすじ》

久しぶりのデート。話題のアイスを食べに繁華街へ。

どこぞのアトラクションかよ、と思うほどの待ち時間を経て、ようやく買えた。写真を撮って、食べようかなと言う時、大きな爆発音が…。


逃げ惑う人々。暴れる見た事もない生き物。私達も逃げなきゃ。そう思ったのに、怪物の前には逃げ遅れた子供。ばかな私は、「離れよう」という彼の言葉を無視して飛び出してしまった。


終わった。

でも子供助けられたなら、それも悪くないのかもな、とか妙に冷静な自分に驚きつつも目を、強く瞑る。


だけど


衝撃が、来ない。


目を開く。


彼が…化物と対峙していた。

勝てるはずなんかないのに、化物に対して何か言い合いながら、戦っている。


でも


一方的にやられていく。ボロボロになっていく。

もうやめてほしかった。私のせいで…彼が…。


《登場人物》

【レイト】ひょんな事から化物に変身できるようになってしまった男性。普段から隠して生活している。

【ユナ】レイトの彼女。普通に普通の女の子。

【怪物】元人間。衝動のままに暴れまわっている。

おまけ:以下は、おしまいの後のおまけです。演者様方に余裕がありそうならぜひ!配役は《A》《B》で分けるといい感じかと思いますが、ご自由に振り分けていただいてかまいません。(ユナ役の方はユナ役のまま、おまけも続行でお願いします)

【司会】ニュース番組の司会。エセ関西弁。《A》

【広報】ニュース番組で司会の質問に答える政府の特別対策課の広報担当。《B》

【謎の男】突然、家に来た、やさしそうなおじ。お兄さんでも可。なんでも可《A》

【対策班】特別対策として立ち上げられたチームの人。リーダーぽい人のみ《B》



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



レイト:「変身」


ユナ:その言葉が聞こえて来ると同時に一瞬まばゆく光り、彼は異形の姿へと変わっていた。


レイト:「これで対等だ…」


怪物:「く、くくっ、ははははっ」


レイト:「…」


怪物:「なんだよ、おめぇも同じなんじゃねぇかよ」


レイト:「俺は…違う…」


怪物:「違うものか!見てみろ、お前の守ろうとした女の目をなぁ!!」


ユナ:「…ぁ、、ぁ」


レイト:「…っ」


怪物:「ほらなっ、おめぇも一緒なんだよ!」


ユナ:私は、酷いことをした。頭ではわかってる。彼が私を助けようとしてくれたこと、彼が私を襲うわけがないってことを。なのに、この身体は、震えて、声もでない


レイト:「…それでも」


怪物:「あ?」


レイト:「お前とは」


ユナ:彼が跳ぶ


レイト:「違うッ!!」


ユナ:泡のように膨らんだ右腕がアイツの顔面へと撃ち込まれた


怪物:「ぐぶぉっっ…………ィってーなぁ!!」


レイト:「…。」


ユナ:アイツが振り払うように腕を振り回す、が彼は既に後ろへと跳躍していた。


怪物:「つぅ…おいおい、この重さ…おめぇ、昨日今日、そうなったってわけじゃねぇな?」


ユナ:「…ぇ?」


レイト:「どうでもいい」


怪物:「どうでもいい?はっ、おめぇは化物のくせにぬくぬくと人間として生活をしてたってことだよなぁ?」


レイト:「だからなんだ」


怪物:「こっそり喰ってたんだろ、おめぇもよぉ。こうなっちまったら抑えられなねぇもんなぁ。。。あぁ…ははっ、そうか、その女もそういう」


レイト:「違う!!!」


怪物:「おお、こわいねぇ。だけど…その力は一人二人喰ったからってわけじゃねぇだろ、おめぇも充分化物じゃねぇか」


ユナ:知らない…。そんなわけない…ずっと一緒だったのに


レイト:「俺は…」


ユナ:「ぁ、そ、そんなわ、けない」


レイト「ユナ…」


怪物:「はぁ?なんて?」


ユナ:「ず、ずっと、一緒、だった、から、そんなわけが」


怪物:「お嬢ちゃんよぉ、おめぇが寝てる間は?あんたに予定があった時は?そもそもずっとなんて無理だろ?抜け出すことなんていくらでもできる」


ユナ:「…ぁっ」


怪物:「ははっ、ほらな、心当たりがあるだろ?」


ユナ:「で、でも…」


怪物:「でもじゃねぇ!!」


ユナ:「ひうっ」


怪物:「こいつがオレと同じくらいの強さって時点で2桁…いや3桁に到達しててもおかしかねぇな、そんぐらいやってるぞ」


ユナ:「ぇ、ぁ…」


レイト:「ユナ…ありがとう。遠くに離れてて」


ユナ:「ぅ…け、けど」


レイト:「いいから、お願い。」


ユナ:「…ぁ」


レイト:「早く」


ユナ:今までお願いなんてしてきたことなかった。私のわがままをいつも…。


レイト:「…大丈夫だから。」


ユナ:「…うん。」


怪物:「いいのかぁ?今見失ったら二度と喰う機会ないぞ?」


レイト:「違う」


怪物:「あんな上玉、そうそういないだろ」


レイト:「違う」


怪物:「そうかよ。。あぁ、後ろ姿もたまんねぇなぁ、おめぇがいかねぇならよぉ…


ユナ:ドン、という音に、振り返る。アイツが目の前まで迫り、気持ちの悪い大きな口が開いて


怪物:「オレが喰っ」


レイト:「だまれ…!!!」


ユナ:彼が脳天から押しつぶす


怪物:「ぐぎぎぎ…やっぱおめぇ…おかしい、ぞ」


ユナ:押さえつけられた拳をアイツは振り払う


レイト:「…お前は俺を怒らせた」


怪物:「はぁ?どこの漫画だ…ぉべぁっ」


ユナ:彼の姿が見えない


怪物:「ぐふっ、があっ、な、んっ、だ、これ、がぎゅぁっ」


レイト:「…。」


怪物:「はぁ…はぁ…っ…この強さ、速さ、まさか…!お前、、、同族喰いだろ!!!」


レイト:「…。」


ユナ:また彼の姿ブレて


怪物:「ま、まて!!まってくれ!!」


ユナ:アイツの言葉で止まった


レイト:「なんだ」


怪物:「お、俺もやり過ぎたし、言い過ぎたよ、おめぇが噂の同族喰いなら、俺なんかが敵うはずがねぇ…た、たのむ、見逃してくれ」


レイト:「…。」


怪物:(へっ、ばかがよぉ、明らかに優男風だったからな、、、、俺の全力をくらいやが----)


レイト:「ハァッ」


怪物:「ぶべぇええええええ」


レイト:「許すとか、見逃すとかねぇよ。」


怪物:「く、くそが…逃げるしか………ッ!?お、俺の、俺の足がぁあ」


レイト:「…今、楽にしてやる」


怪物:「やめ、や、あ、くそっ、俺はまだ、喰いてぇんだ!!く、くるなぁああああ」


レイト:「うるさい」


ユナ:その言葉が聞こえて来る同時に一瞬まばゆく光り、彼の腕がさらに膨張した。


ユナ:そして


ユナ:アイツを呑み込んだ。


レイト:「…。」

ユナ:「ぁ、あ、そ、その」

ユナ:声をかけなきゃ、私の中の何かがそう告げた、けど、彼は


レイト:「…ごめん」


ユナ:そう俯き…空を見上げ、跳んだ。激しい突風が吹き荒れる。砂煙が晴れた頃に、彼の姿は無かった。


ユナ:後に残ったのは、遠くから聞こえるサイレンの音と、泥と混じってぐちゃぐちゃになったバニラアイスだけ。


ユナ:「私のばか…」




0:おしまい

0:おまけ



ユナ:翌日、あの時の事がニュースで取り上げられていた…


司会:「ほならね、どうせいっちゅうねん、こんなの」


広報:「ええ、ですから、このような場に遭遇してしまったら、速やかに避難をと」


司会:「さっさと撃っちゃえばええやないすか」


広報:「あのですね、いろいろと準備がいるんですよ」


司会:「ほな、なんのための警察や自衛隊なん、意味ないやん」


広報:「前例の無い事ですから…」


司会:「前例前例って、あのバケモンを倒したバケモンは、普通の人が突然、ああなったちゅー話やないの。こわいわぁ、怖くて歩けへんちゅーの」


広報:「現在調査中ですので…」


司会:「そんでこれ、バケモン食ってどっか行っちゃてるやん、どうすんの、早く駆除してえーな」


ユナ:「え?」


広報:「それに関しましては、特別部隊を編成し見つけ次第対象するよう動いております」


ユナ:「対処…?」


司会:「そうなんか、ええな、さっさと殺してもらわな、お外歩けまへんわ、ぇ?『殺す』だめ?、はいはい、駆除ね、くーじょ」


ユナ:「な、何言ってるの!?」


広報:「映像からもわかる通り、強靭な筋力に敏捷性、とても危険な存在であることが確認できております。我々はこのバケモノを『トランサー』と名付け徹底的な対応に勧めて参ります。」


司会:「とらんさー?なんじゃそりゃ、それって、、え?CM?はーい、じゃあ一旦CMでーす」



ユナ:「…なんで!!あの人は何も悪くないのに!!!おかしいよ!」

ユナ:テレビを切り、憤慨する私。そこへチャイムが鳴る。荒ぶった髪を急いで整えて、出る。


謎の男:「こんにちは、突然すみません。私こういうものです」


ユナ:よく考えもせず出てしまった事を後悔した。提示された手帳には

ユナ:「ピー、エイチ、エー…」


謎の男:「*Protective《プロテクティブ》* Headquarters《ヘッドクォーターズ》 *for《フォウ》* Advanced 《アドバンスド》*Logistics 《ロジティクス》*and《アンド》 *National《ナショナル》 *eXecution《エクスキューション》で」

謎の男:「*PHALANX《ファランクス》です」


ユナ:「ふぁらんくす…?」


謎の男:「ええ、昨日の事をお伺いできればな、と」


ユナ:「まさか!ニュースの!?何も言う事はありません!帰ってください!」


謎の男:「いえいえ、あれとは違います」


ユナ:「ち、違う…?だとしてもです!」


謎の男:「私としては帰ってもいいのですが…立川ユナさん。あなた、逮捕状が出てるみたいですよ?」


ユナ:「へ?」


謎の男:「たぶん、そろそろ…」


ユナ:「え、さ、サイレン?近付いてきる…!?」


謎の男:「ああ…囲まれてますね、マンションごと」


ユナ:「ええ!?」


対策課:「『聞こえるかー!立川ユナ!!貴様は包囲されている!』」


ユナ:「な、名指し!?」


対策課:「『トランサーと共謀して暴れまわってくれたようだな!!今すぐ出てこい』」


ユナ:「な、なにそれ!?」


謎の男:「まぁ、そういうことですね」


ユナ:「そういうことって!?」


対策課:「『居るのはわかっている!!出てこないのならこちらから行かせてもらうぞ』」


ユナ:「え、えぇ…」


対策課:「発砲の許可はもらっているからな!!』」


ユナ:「発砲!?」


謎の男:「さて、どうしますか?」


ユナ:「どうするって!?」


謎の男:「逮捕されるか、撃たれるか、それとも、、、私と来るか」


ユナ:「そ、そんなのって…ぁっ!話せばわかってくれるかも!」


謎の男「いきなり囲んできて、拡声器であなたの名前を叫んで、さらに撃ちますよ。なんていう人達がわかってくれるでしょうか」


ユナ:「うっ…」


対策課:「『警告の無視を確認!今から突撃する。』」


ユナ:「え!?」


対策課:「『お前ら、かかれー!!』」


ユナ:「うわわわ」


謎の男:「ふむ、私ならあなたを安全な場所へお連れできますが?」


ユナ:「あーもう!わかったわかった!ついて行くわよ!!」


謎の男「かしこまりました」


ユナ:「でも、どうするの?逃げ場なんて…きゃっ」


謎の男:「いわゆるお姫様抱っこで失礼します」


ユナ:「ちょ、なに考えてんの!?まさか…ま、待って、ここ6階…」


謎の男:「では、行きます、よっ」


ユナ:「はぁああああ!?うそでしょぉおおおお!?!?」


0:おしまい



【ジャンル】

コメディ

【あらすじ】

 行きつけ落ちついた雰囲気のバー。でもなんだかマスターの様子が…

【登場人物】

【店主】男性

店主。マスター。

【客】不問

常連なお客さん。


ーーーーーーーーー



客:マスター、いつもの


店主:…。


客:マスター?


店主:ん?ああ、いつものね


客:うん…?


店主:…よっ、はい


客:あ、うん、ありがとう


店主:…。


客:えと…マスター?


店主:…。


客:おーい


店主:ぁ、ごめん、なに?


客:なに?じゃなくてさぁ


店主:ん?


客:ぼーっとしてるじゃん、どうしたの?


店主:…あー、大したことじゃないから


客:いや、それ気になるって


店主:そうか…


客:うん、マスターの悩み、聞くよ?いつも聞いてもらってるんだから


店主:お、おう…


客:マスターには愚痴を聞いてもらったり、マスターにしかできないアドバイスをくれたり、マスターと話すのほんとに楽しいんだ、だからさ、マス----


店主:それぇえええ!!


客:タ…ぇ?ま、マスター?


店主:それだよそれぇ!!マスターマスターマスターって!!


客:えぇ!?


店主:なんでマスターなんだよ!!


客:な、何言ってるの!?


店主:マスターなんて自称したことないよ!?


客:ん、んん???


店主:なぁ!もし俺が女だったら、なんて呼んでた?


客:ぇ、うーん…ママ?


店主:だよねぇ!ママだよねぇ!


客:う、ん


店主:だったらさぁ!マスターじゃなくてさぁ


客:??


店主:パパって呼んでくれてもいいよねぇええ!!


客:はいぃいい!??


店主:女性がやってたらママ、男がやってたらマスター?差別だよね!?これ!!


客:いやいやいやいや


店主:男女平等ってなに!ひどいよね!?


客:あの、差別とかうんぬんじゃないというか、なんというか…えと、えーっと、話を整理すると、いや整理するほどのことでもないんだけど…マスターはパパって呼ばれたいんですか?


店主:…え?当たり前だよね?


客:当たり前ではないですよ?


店主:俺だって、みんなからパパって呼ばれたいんだよ!


客:お、おう


店主:みんなのパパとしてパパらしくパパのように、この活動をしていきたいんだ!!


客:それは誤解を招く発言な気が…


店主:そうた!俺の事、パパって呼んでみて


客:えぇ…


店主:ほら、はやく!


客:さ、さずかにちょっと、、難しい…かも


店主:どぼじてだよぉぉおおおおお!!

店主:呼んでくれょぉおおおパパってぇええ


客:あ~、凛々しくて落ち着いてて雰囲気も最高だったマスターのイメージが一瞬で崩れてくよぉ


店主:うぇええん!呼んで呼んで呼んでぇええ!!


客:…はぁ…パ、パパ


店主:ッ!!

店主:本日はどういたしました?


客:切り替え早っ!!


店主:なんのことでしょう?


客:さっきまで取り乱してたじゃんマス…


店主:ジーーー


客:ぱ、パパ


店主:お見苦しい姿を見せてしまい、大変失礼いたしました


客:あー、はい


店主:ごゆっくりお過ごしくださいませ


客:…いーや、無理だって、どんだけ取り繕ろっても、さっきまで駄々こねてた姿が記憶に焼きついちゃっるから!!


店主:ふむ


客:ふむ、じゃねぇよ!あんたはマスターなの!マ、ス、タ、ア!!わかった!!


店主:…。キョロキョロ…


客:キョロキョロじゃねぇよ!マスターはマスターだから!!


店主:…キョロキョロ


客:だからキョロキョロすな!この場に他に人がいるか?いねぇよなぁ!あんたのことだよ!!


店主:店内で大声はお控えいただけると…


客:さっきまでギャンギャン喚いていたやつが言うそれ!?だー!せっかく、さっきニジマス食べできたのにさー!なんだよもう!


店主:…。


客:…は?なんでスンって…ハッ!まさかニジマスたべた…ニジ、マスタってこと!?


店主:…。コクリ


客:コクリじゃねぇから!めんどくせぇえええ!!


店主:…けなのに


客:え、なに?


店主:パパって呼んでほしいだけなのに!!


客:ぁ


店主:なんでそんなに言われなきゃいけないんだよ!!


客:なんでバーやってたんだよ!!


店主:やりたかったからだよ!!みんなのパパとして、みんなのパパになりたかったんだよ!


客:あーもう!何言ってるのかさっぱりわからねぇけど、だったらママになればいいんじゃないの!!


店主:ッ!?


客:マスターって呼ばれたくないんだったら、ママでもいいでしょ、みんなのママになりなよ


店主:て…


客:て?


店主:天才だ!!!


客:はい!?


店主:そうだ、そうだったんだよ。性別なんかにこだわって、情けない…!


客:う、うん


店主:ありがとう、そうと決めたら行動あるのみね!


客:ん?


店主:じゃお店締めるから、気をつけて帰りなさいよ!


客:ぇ、あ、はい


店主:また来るのよー


客:…。


0:


客:(N)こうして、いつ行っても閑古鳥の鳴いていたマスターのバーは…オカマバーになった。驚く事になぜか大繁盛している。かくいう私もついつい店の前に来てしまって…


店主:あら、いらっしゃい。今日はどうしたのかしら?



0:おしまい



【あなた】性別不問

ご自由にどうぞ。



ーーーーーーーーー


猫。


猫がいる。


黒猫だ。


月の光に照らされて、真っ黒な身体がよく見えた。

遅くなってしまった帰り道に表れ、ご丁寧に黒猫である。


やだやだ


見なかった事にしようと思うのに、やけに目を引いた。


目が合う。合う?合わせられたのか?

それも一瞬で、前をトコトコと歩き出していった。


行ったと思ったら、止まって振り返り、こちらを見てくる。


おいおい


こんなの漫画や、アニメだけじゃないのか?

と思いつつも、好奇心なのか、はたまたまだどこかにまだ残る、厨二心のせいか、気が付くと身体が勝手に動いていた。


黒猫も途中止まっては振り返り、付いてきているか確認してくる。

にしても

トコトコトコトコトコトコと…猫ならもっとシュッと歩けないものなのか、いや、可愛いからいいんだけども。


何度目かの角を曲がった時、目の前にいるであろう黒猫が居(お)らず

代わりに、小さな子供であろうナニカが横たわっていた。

とりあえず声を掛ける。


『…。』



返事は無い、ただの…(ry(いかりゃく)


こりゃまずい、と来た道を急いで戻ろうした。


その瞬間、子どもから鯉が表れて空へと登っていった。


何を言ってるのかわらかねぇと思うが、こっちもよくわからねぇんだ。

唖然としながらも、ぬいぐるみの様なモノを抱き締めているナニカに再度、声を掛ける。


『…。』


やはり、返事は無い。


ってことで、今に至るわけですよ。


だーかーらー、酔っ払っても無いし、変なおクスリなんて使ってるわけないじゃないですか!

さっきも検査しましたって!


と、何度も何度も同じ話をさせられ、何度も何度も同じようなやりとりし、結局開放されたのは、お天道様が眩しく輝く頃。


あの光景が何だったのかは、わからない。疲れ過ぎによる幻覚で、たまたま見つけてしまったのかもしれない。

なんにせよ、無事に帰れることになった。


人の苦労も知らずに晴れ渡る空。見上げて睨みつつも、澄んだ空気の気持ち良さを感じ……るわけねぇだろ!!


とにかく早く横になりたいと、

細長い雲が旅立つのを背に帰宅した。



おしまい




【1】

1:あぁ…ほんといい声だよなぁ、コエスタとかボイッターの写真も、センスあっていいねー

1:…よし、画像検索してっと…ほー、こんなとこ遊びに行ってたり…あれ、この反射で映ってるのって…

1:なるほどねー、意外と近くかも、うれしいなぁ


【2】

2:なんでライソ登録できたかって?

2:履歴書に番号乗ってるからじゃん

2:連絡するためだし問題ないでしょ?


【3】

3:あれ?この前の配信で仕事は雨だとおやすみだって言ってたよね?

3:なのに今日お仕事なの?…なんでって?そりゃ推しのことは、知ってて当然だよ!


【4】

4:付き合ってる人いないの?

4:この前、映画一緒に見に行ってた人は?それからオシャレなカフェに寄って

4:その後、お楽しみじゃなかった?…?あーたまたま見かけただけだよ?


【5】

5:え?あれ?繋がらないな…NGくらった…?出勤してるのに…?

5:しょうがないなぁ…サブ、どこいったかな、あったあった

5:「もしもし、〇〇ちゃんでお願いしたいんですけど…」…ちゃんとわかってもらわなきゃね…


【6】

6:あ、あのさ、今度、ご飯でも行かない?

6:え?この前もそう言ってたよね、あれから1ヶ月と12日経ってるよ?前の前も含めたら…なんかおかしくない?

6:……うん、そうだよね、わかった。大丈夫だよ。大丈夫


【7】

7:聞いてー!聞いてー!あのねー!あのねー!かわいいね!素敵だね!大好きだよ!

7:やめて?うわー!怒ってるのもたまんないよ!そういとことも好きだよ!

7:『配信者からブロックされたため、ルームから退室します。』…?え?なんで?

7:…ま、いっか、アカ変えてっと…「初見です!初めましてー!」


【8】

8:充電器、無くしたの?あー、じゃあこれあげるよ

8:ちょうどいくつか買って余ってたんだよね。うんうん

8:大丈夫大丈夫、高速充電もいけるやつだから、ぜひ使ってよ


【9】

9:あれ寝ちゃったの?うーん、これだと一人じゃ帰れないよね

9:しょうがないよね、お家まで送ってあげるね

9:大丈夫、知ってるから。安心してね。


【10】

10:あっ…すみません

10:……あれ?もしかして…〇〇さんですか?あのボク△△です

10:あはは、偶然ですね!意外と近くだったんですね!

10:あ、えと、その…はは…そ、そうだ!お茶でもどう、ですか?


【11】

11:ようやくついたね、中に入ろっか。え?なんで鍵を持ってるかって?

11:何言ってるの、仕事中に作りに行ったに決まってるじゃん

11:いつ?ずっと前だよ、なに当たり前のこと聞いてるのさ


【12】

12:どこに行ってもわかるよ?

12:スマホを変えたって、住む場所を変えたって…簡単に調べられるし

12:役所の人なんて親戚です。って言ったらすぐ教えてくれたよ笑


【13】

13:…はぁ、うざいな、もういいよ

13:鏡、みてみなよ、君はもう君じゃないんだよ。だから早くどっかいってくれない?

13:あー、いや、いいや、こっちが出てくよ。じゃあね


【14】

14:…彼氏居ないって言ってたのに…、、なんで、こんな声、知らない…やめてよ、

14:ボクだけなのに、、う、ぅ…でも、なんで、こんな、、

14:…は、、うっ、、、最低だ、、ボクって…


【15】

15:ブロックしてくるんだなぁ…あーあ、これだと他もやられるかもだからなぁ…

15:とりあえずIPアドレスをっと、、んで、これと、後は、、よし

15:これで…だいたいの場所も把握できるね。まぁ、ブロックした方が悪いわけだしねー


【16】

16:…あの、優しいんですね…えと、はい、とっても…よかったです。

16:あ、え?ら、ライソ!?交換とかして大丈夫なんですか??

16:とと特別…!?ありがとう、ございます。ま、またきましゅ!


【17】

17:こいつ、また居やがるな、なんなんだよ。〇〇ちゃんが枠たてる度に絶対来やがってきめぇな!

17:晒してやろ…『□□、こいつ、女の枠にばかり行くきもいやつだから注意!』

17:…よし!……あれ、?、、これボクの名前もあるんだけど…?なんで?


【18】

18:ふひひ…起きないのがいけないんだからね…

18:起こしてあげようとしただけだからね。たまたまだからね、

18:あ、せっかくだし記念写真も撮っておこうね…


【19】

19:☓県◎市●●ノ■■、▲ー▼▼、だよね!

19:あ、やっぱり!うんうん、よかったぁ!え?誰にも言わないよ!

19:ボクと君の仲じゃないか!むしろ今までわからなくてごめんねって感じ!これからもよろしくね!


【20】

20:うるさいな、黙れって。お前が悪いんだろうが

20:あ、ごめん。泣かないでよ、可愛い顔が…でもその崩れた顔も素敵だね。もうほんと最高だよ!

20:うんうん。大丈夫!幸せになろう!ほら、印鑑も用意したし、ほら見て、お義父さんもお義母さんも喜んでるよ!



おしまい




《補足》

13+おまけ2種

奇数メスガキ偶数ショタガキ(13のみ両方対応)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【1】

1:また寝坊しちゃったの?情けなーい

1:てゆーか、くちくっさー♡まじきもいんですけどー、喋らないでくださぁい


【2】

2:は?寝坊?ありえないから。

2:自分のこともちゃんと管理できないとか、赤ちゃんからやり直したら?


【3】

3:え、こんな問題もわからないの?

3:あの有名な塾に通わせてもらってるのに?

3:ありえなぁい、パパママかわいそぉ、見た目だけじゃなく頭の中もざこざこなのかなぁ♡


【4】

4:あのさー、これ基礎中の基礎なんだけど。授業中何してたの?

4:あー、そっか会話すらまともにできない人だったね

4:ごめんごめん。小学生からやり直さないとね。


【5】

5:あれれぇ、おかしいなぁ?おぢさーんもしかして、もう限界なのぉ?

5:アハッ、もう無理ぃだなんて、よわよわー、よわよわ胃袋ぉー、ほら全部出しちゃえー♡


【6】

6:なに?なんで?は?…入れてもらえると思ってるの?するわけないだろ、ほんとに脳みそあるの?

6:無理?早く自分で入れろって。チッ、ほら。早く食えって。


【7】

7:こんな時間までお仕事なんて、ほんとざこざこなんだね

7:えー、なにー、起きててくれてうれしぃの?

7:きもーい♡たまたま目が覚めただけなのにぃ…何期待しちゃってるの?


【8】

8:うるさいな、ドアくらい静かにしめろよ。はぁ、汗くさいから早く風呂入ってきて

8:なに?なんとなく起きちゃっただけだよ

8:沸かしておいたのも自分の夜食のついでだから…。あ?んなわけないでしょ


【9】

9:知ってるんだよぉ、おぢさんのこと。視線とかほんとわかりやすーい♡

9:そうなんだー、じゃあ試してみよっかぁ…

9:うわ♡みっともなーい、、いい歳してヤバすぎー


【10】

10:隠してもバレるのになんでそういうことするの?まだとぼける気?

10:へー、、、ほら、わかりやすい。キモいよ、少しくらい我慢できないの?

10:うざ、こっちくんな。変態泥棒


【11】

11:うわーすごいちからぁ♡うごけないよぉ

11:私になにしちゃうのかなー、なにかしちゃうのかなぁ、できるのかなぁ、いいのかなぁ、、叫んじゃおうかなぁ♡

11:どうせすぐおわるくせにぃ


【12】

12:う、、動けない…あぁ、ボクに勝てないからってそういうことするんだ?

12:どうせなにしたって無駄骨だよ。あはは、ほんとアホなんだね

12:ほら、やるなら早くすれば


【13】

13:…さい……ッ!生意気な事言ってごめんなさいっ!

13:だから、その、やめ、あっ、うぅ…すみませんっ!もう言いませんから、許し、許してくださぃぃ



ーーーおまけギフト受取バクーーー


【14】

14:マルチ参加中のそこのおにーさん、これあげる

14:えー、受け取れないの?

14:ほら早くミュート解除しないとー

14:あれ?セリフに被って読めないのかな?

14:動かすこともできないなんて…

14:ざぁこ♡

14:ざこざこスマホ♡

14:あなたのせいでみーんなに迷惑がかかってるね

14:アハッ

14:こんなことで興奮してるのぉ?

14:なぁに?もう我慢できない?

14:だーめ、やめてあげない♡

14:…

14:…しょうがないなぁ楽にしてあげるね

14:ほら、もういっていいよ♡

14:…

14:おにーさん面白いから、またくるね♡


【15】

15:マルチ参加中のそこのおねーさん、これあげる

15:えー、受け取れないの?

15:出番だよ!早くミュート解除しないとー

15:あぁ、セリフに被って読めないのかな?

15:動けないだなんて…

15:ざこだなー

15:ざこざこスマホ

15:おまえのせいでみーんなに迷惑がかかってるね

15:えーー

15:こんなことで興奮してんの?

15:なに?もう我慢できない?

15:だーめ、やめるわけないじゃん

15:…

15:…はぁ、しょうがないなぁ、楽にしてあげるよ

15:ほら、はやくいっちゃえって

15:…

15:あ、おねーさん面白いから、またくるねー



おしまい



《ジャンル》

バトル ギャクコメディ

《あらすじ》

白銀ライトと猫の吾輩ちゃんが開いた扉の先に広がる世界とは…。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

のべるぶ合作企画ノベルのトビラ参加作品です。詳しくは以下リンクから


ノベルのトビラそれぞれ独立した作品となっており、単品でも楽しめるようになっていますが、お時間あればぜひ他の方の作品もご一読いただけると幸いです。


《登場人物》

【白銀ライト】男性。

小説家のたまご。感情的になりやすい面もあり。

【吾輩ちゃん】性別不問。

ライトと共に扉を開き旅をする猫。人数の関係上、ボス鬼とモンスター、デアイチュウの兼役をお願いします。

【○】性別不問。

店長、勇者、オニ、SE、実況、ナレーション。の兼役をお願いします。○:(店長)のように表記してあります。

【▲】性別不問。

店員、客、聖剣、オニ、SE、トレーナーA、ミナーサン、ナレーションの兼役をお願いします。▲:(店員)のように表記してあります。

【■】性別不問。

エース、モンスター、戦士、オニ、SE、トレーナーB、ガメツクッス、フシギダナナレーションの兼役をお願いします。■:(エース)のように表記してあります。

※以下兼役キャラ

【店長】兼役○

とあるコンビニの店長。プライド・タカ

【店員】兼役▲

とあるコンビニモブ店員。

【エース】兼役■

とあるコンビニエース店員。オフロ・レイ

【客】兼役▲

とあるコンビニ来る迷惑客。

【勇者】兼役○

とある世界の勇者。ゴツボ。物理系。強い。

【聖剣】兼役▲

とある世界の聖剣。ラピスラズリ。通称らぴ。喋る。女性口調ですが男性口調に変更○。

【戦士】兼役■

とある世界の戦士。もきぐき。物理系。強い。

【モンスター】兼役■&吾輩ちゃん

ABC+α。

【鬼】兼役○&▲&■

とあるモモ界のザコ鬼。ABCいます。

【ボス鬼】兼役吾輩ちゃん

とあるモモ界のボス鬼。強い。

【実況】兼役○

ボネモン全国大会決勝の実況解説をする人。

【トレーナーA】兼役▲

様々な冒険を経てボネモンとの絆を深め決勝戦へたどり着いたトレーナー。

【デアイチュウ】兼役▲

トレーナーAの相棒ボネモン。

【ミナーサン】兼役▲

トレーナーAのボネモン。

【トレーナーB】兼役■

生意気さが残るものの大切な何かに気付き決勝戦まで登り詰めたトレーナー。

【ガメツクッス】兼役■

トレーナーBのボネモン。

【フシギダナ】兼役■

トレーナーBのボネモン。

【SE】

サウンドエフェクト。(SE)表記。○▲■それぞれあります。

【ナレーション】

ナレーション。(N)で表記。全員あります。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


白銀ライト:どわっ!いててて。


吾輩ちゃん:あーあー、だから言わんこっちゃない。


○:(N)古びた扉から一人の少年と猫が飛び出してきた。


▲:(N)それは、そこから「出てきた」のか「戻ってきた」のか。


白銀ライト:言わんこっちゃない、だなんて言うなよな。


吾輩ちゃん:何回でも言うにゃよ。言わんこっちゃない、言わんこっちゃない、言わんこっちゃぁなぁーい。


白銀ライト:ああ、もう、うるさいな。

白銀ライト:お前は一言一言がとにかくうるさいんだよ。

白銀ライト:まだお前が物言わぬ猫だった時は、とにかく静かでそれはもう大人しかったのに。


吾輩ちゃん:ライト、静かで大人しかった、って言うのはおんなじ意味の反復だにゃ。


白銀ライト:とにかくそれくらい大人しかったって意味だよ!


吾輩ちゃん:そんなんじゃあ立派な「小説家」になんてなれにゃいわよ?


白銀ライト:いいか?吾輩ちゃん。


吾輩ちゃん:にゃによ?


白銀ライト:世の文豪のほとんど、特に芥川龍之介なんて、自分で表現したい言葉が足りないから自分で言葉を作ったほどだ。

白銀ライト:言葉に正解なんていつだって無いんだよ。

白銀ライト:言葉の正解はいつだって、その物語が作り出すんだから。


吾輩ちゃん:ふーん、ライトのくせに生意気なこと言うのにゃ。


白銀ライト:これでも「小説家」のたまごだからね。


吾輩ちゃん:ふふ、様になってきたじゃない。


■:「吾輩ちゃん」と呼ばれた白い猫は、ライトの周りをとてとてと回り、誇らしげに語る。


吾輩ちゃん:で、もー。

吾輩ちゃん:そう簡単に「小説家」になんてなれるかしらにゃー?


白銀ライト:またその話かよ。


吾輩ちゃん:何度だって言うにゃ。

吾輩ちゃん:物語の「扉」を開け、「プロット」という心に巣食う魔物と対峙してこそ

吾輩ちゃん:「小説家」は初めて「小説家」となりえるにゃ。


○:(N)一人と一匹が飛び出してきた古ぼけた扉の隙間から煌びやかな光が漏れている。


白銀ライト:わかってるさ。

白銀ライト:何度だって僕はこの扉の先に潜り、物語の真髄を我がものにしていく!


吾輩ちゃん:でも、残念。さっき言い忘れてしまったことがあるにゃ。


白銀ライト:言い忘れたこと?


吾輩ちゃん:そうにゃ。

吾輩ちゃん:ライト、この「物語」の扉を開ける度にライトは大切な何かを引き換えに差し出すことになるにゃ。


白銀ライト:大切な何か?


吾輩ちゃん:そうにゃ。それはライトの身体の一部かもしれないし、目に見えない何かかもしれない、もしかしたら過去や未来や心のエトセトラかもしれない。


吾輩ちゃん:それでも、ライト、あなたはこの物語の扉をあけるにゃ?


白銀ライト:当たり前だよ。

白銀ライト:そこに物語がある。

白銀ライト:そこに誰かが心を求めてる。

白銀ライト:そして僕は「小説家」だ。

白銀ライト:何があったって、僕はその扉を抜けて

白銀ライト:物語を紡ぎ続ける。


吾輩ちゃん:……いい返事だにゃ!!

吾輩ちゃん:ならば少年よ、いいや!「小説家」よ!

吾輩ちゃん:こころのペンを取れ!

吾輩ちゃん:その胸を開き、すべての物語を汝の糧とするにゃ!

吾輩ちゃん:合言葉はいつだってこうにゃ!

吾輩ちゃん:「ボンボヤージュ」!よき旅を!


白銀ライト:あ、ちょ、ちょっとまってその前にちょっとメモを……


吾輩ちゃん:もう遅いにゃ!!!!!


▲:(N)吾輩ちゃんが少年を蹴り飛ばす。


白銀ライト:わ、わ、うわああああ!!


■:(N)よろめき、扉の奥に吸い込まれる少年。


○:(N)物語とはいつだって唐突に始まるものだ。


▲:(N)少年が取り損ねたメモ帳には、既にいくつかの言葉が記されていた。


■:(N)そこにはひとつ、「後悔をするな」と言う言葉が残されている。


吾輩ちゃん:さてさて、かのオスカー・ワイルドは言ったにゃ。

吾輩ちゃん:「経験とは、誰もが失敗につける名前のことである」と。

吾輩ちゃん:この旅で少年は、どんな「経験」をするのかにゃ。

吾輩ちゃん:ふふ、さあ、「物語」がはじまるにゃ!


○:(N)光の中に白猫も溶けていく。


▲:(N)光は次第に、光であると感じさせる事のないくらい白くなり


■:(N)「それは、目次と呼ばれた。」



0:扉の先は…


白銀ライト:ぅわあああぁ、っととと

白銀ライト:ここは、、コンビニ…?


○:(店長)おい!新人!左レジ、店員いないよ!なにやってんの!!


白銀ライト:え?


▲:(店員)店長!もう持ちません!!


○:(店長)わかっている!オフロ!新人の援護だ


■:(エース)ボクだって新人なのに…!


○:(店長)なんだって?


■:(エース)やりますよ、やればいいんでしょ


白銀ライト:オフロ…?ここは、【ブラックベース】の世界か!


■:(エース)君、大丈夫?


白銀ライト:あ、ああ、大丈夫です


■:(エース)店長、あんなんだけど、意外と優しい所もあるから


白銀ライト:は、はぁ

白銀ライト:(ここで一体なにを得るっていうんだ…レジ打ち能力でも鍛えろってか!?)


■:(エース)いらっしゃいませ!

■:(エース)ポイントカードは?

■:(エース)ありがとうございましたー!

■:(エース)だいたい、こんな感じかな


白銀ライト:わ、わかりました


■:(エース)ッ!!

■:このプレッシャーは!


白銀ライト:(まさか、シェアが来るのか!?)


0:突如、頭に直接声が(ry


吾輩ちゃん:ふふふ


白銀ライト:この声は、、、


吾輩ちゃん:それじゃあつまらないよね?


白銀ライト:何を言ってるんだ?


白銀ライト:な!?空間が歪んで…!?


▲:(客)せんー、すいませーん、レジいいすか?


白銀ライト:あ、はい!

白銀ライト:(幻覚だった…?)


▲:(客)支払いは、りんごペイで


白銀ライト:え?


▲:(客)りんごペイで


白銀ライト:あれ?


▲:(客)り・ん・ご・ペ・イ!わかる?


白銀ライト:ッ!?

白銀ライト:(こいつは【RINGOpay】の迷惑客!なんでブラックベースの世界に!?)


▲:(客)はぁ、これだから情弱は


■:(エース)りんごペイの何払いですか?


▲:(客)へ?り、りんごペイだよ


白銀ライト:(さすがオフロ、即座に対応している)


□:(エース)ですから、りんごペイの何で支払うかわからないと会計できないんですよ


▲:(客)ごちゃごちゃうるせぇな!!もういいよ!!


白銀ライト:は?商品を持ってどこに…


■:(エース)くっ、なんて速さだ!


白銀ライト:ちょ、ええ!?会計せず外に!?


○:(店長)オフロ!!どういうことだ!


■:(エース)くっ、やられたっ、だが、たかが商品を盗まれただけだ!


白銀ライト:たかがじゃ済まないと思うんですけどぉ!?


○:(店長)早く追うんだ!なにやってんの!!


白銀ライト:ですよねー


■:(エース)オフロいっきまーす!!


○:(店長)新人もだ!


白銀ライト:あ、はい……え?言うの?

白銀ライト:ライト、い、いっきまーす!!


吾輩ちゃん:ぷぷぷ、まぁまぁかなぁ

吾輩ちゃん:でも、もうここはいいや、えい


▲:(N)自動ドアに急いで向かうライト

▲:(N)しかし、抜けた先に広がるのは…


白銀ライト:…はい?草原?


■:(モンスター)キシャァアア!


白銀ライト:おわぁ!?


○:(勇者)ふん!ふんんん!!


■:(モンスター)ぎ、ぎしゃ…っ


白銀ライト:これは…


○:(勇者)大丈夫か?


白銀ライト:あ、はい


○:(勇者)この辺はまだ魔物が多い。気を付けることだ


白銀ライト:はい…

白銀ライト:(ゴツボだ!【勇者ゴツボ】の世界だよ、なんで!?)


○:(勇者)どうした?


▲:(聖剣)襲われていたんだから、あなたみたいにすぐ切り替えられるわけないでしょ?


○:(勇者)そうなのか?


白銀ライト:は、はぁ…

白銀ライト:(まじで聖剣が喋ってるぅぅ!!)


○:(勇者)ん?これか、びっくりするよな


▲:(聖剣)酷いわね、一応、聖剣様なのよ?


白銀ライト:あー、すみません


○:(勇者)大丈夫そうだな


▲:(聖剣)ゴツボ、せめて近くの町までは一緒に


○:(勇者)それもそうか


白銀ライト:ありがとうございます

白銀ライト:(この草原…たぶんあの戦士と出会うところだ)


吾輩ちゃん:(モンスター)ギャオォス!!


■:(戦士)はぁっ!ふんっせいっとりゃ!


▲:(聖剣)ゴツボ!あそこ!一人で戦ってる


白銀ライト:やっぱり…ってゴツボ!?


○:(勇者)ふんんん!!


吾輩ちゃん:(モンスター)ウギャァ…バタ


■:(戦士)ッ!

■:(戦士)なにやつ!


○:(勇者)なにやつ!


▲:(聖剣)あんたから向かったんでしょうが!


○:(勇者)それもそうか!『勇者ゴツボ』だ


■:(戦士)なるほど、戦士『もきぐき』だ。助立ち感謝する


吾輩ちゃん:(モンスターA)グルル…がァァァ!!


吾輩ちゃん:(モンスターB)ハラ…ヘッタ、タベル


吾輩ちゃん:(モンスターC)ギャギャ、ギャギャ


○:(勇者)行くぞ!


■:(戦士)言われなくても!


○:(勇者)ふん!ふんん!!


■:(戦士)トゥトゥへアッ!!


吾輩ちゃん:(モンスターA)ぎゃうんっ…


吾輩ちゃん:(モンスターB)ゴチュボッ


吾輩ちゃん:(モンスターC)ギャッ…


白銀ライト:す、すごい、これが本物の戦闘…!


▲:(聖剣)やっぱ殴ってるだけだよね、私、必要ないよね!?


吾輩ちゃん:あーあ、刺激が足りにゃいよねー


白銀ライト:ハッ、また…!どこだ!

白銀ライト:あれは…


0:遠くからこちらを見つめる白猫が


白銀ライト:あんなところに…吾輩ちゃん!


吾輩ちゃん:にゃは、バレちゃったかー

吾輩ちゃん:でもちょーっと遅かったかなー


白銀ライト:ぐぅ…またこの感じ、目まい…?、いや、世界が滲んで…


○:(鬼A)オニッ!


■:(鬼B)オニオニ!!


▲:(鬼C)オニィ!


白銀ライト:あいつらは【モモモモ】の鬼!?それも大群で!?


吾輩ちゃん:さぁ、これならどうかにゃ


白銀ライト:なんでこんなことを!!


吾輩ちゃん:ふふふーにゃ


白銀ライト:消え…た?


○:(勇者)ふむ…なかなか多いな


■:(戦士)う〜ん、ヤバイねぇ


▲:(聖剣)というか、なんか、鬼達が集まってない?


○:(鬼A)オニッオニッ


■:(鬼B)オニオニッオニオニッ


▲:(鬼C)オニィオニィ


○:(N)鬼達が一箇所に集まり光りだす


白銀ライト:ま、まさか、そんな


■:(N)まばゆい光が収まると…


吾輩ちゃん:(ボス鬼)オオオオオオニィィイイイイ!!


白銀ライト:大ボス鬼になるなんて!!


吾輩ちゃん:(ボス鬼)ココハドコダ、ナゼワレハ…


吾輩ちゃん:いけいけー大ボス鬼ー!


白銀ライト:吾輩ちゃん、お前…!


吾輩ちゃん:にゃははは


○:(勇者)おお!一匹になってくれたのか、助かるな


■:(戦士)ああ、その通りだな


▲:(聖剣)やる気まんまんじゃん、どう考えても倒せる気が…


白銀ライト:ま、待って、あいつは覚醒したモモモモじゃないと……僕が話をつけてくる


○:(勇者)なるほど?


■:(戦士)話を?


▲:(聖剣)ごめん、私もよくわからない


白銀ライト:大丈夫、任せて!

白銀ライト:大ボス鬼ー!


吾輩ちゃん:(ボス鬼)ム?ナンダ?


白銀ライト:お前は無理やりここに呼び出されたんだ!僕達と戦う理由がない!


吾輩ちゃん:(ボス鬼)ソウカ


白銀ライト:わかってくれるか!


吾輩ちゃん:(ボス鬼)ダガ


白銀ライト:え?


吾輩ちゃん:(ボス鬼)コノヨニ、ヨビダサレタカラニハ、ワレハスベテヲ、コノテニニギル!


白銀ライト:なんで!?ここは神々が支配する世界!何をされるかもわからないんだよ!?


吾輩ちゃん:(ボス鬼)ナラバ、カミトモタタカウマデ!!

吾輩ちゃん:(ボス鬼)オォォオニィイイイ!!


白銀ライト:おわわわわ


○:(勇者)ふんん!下がっていろ!


白銀ライト:だけど!あいつは強いんだ!


○:(勇者)俺も強い


▲:(聖剣)そうね、ゴツボは強い


白銀ライト:たしかに、だけど…


■:(戦士)それでも!!可能性を信じるんだよ


白銀ライト:戦士もきぐき…!


吾輩ちゃん:(ボス鬼)オニィッ!


○:(勇者)ふん!こっちだ!


▲:(聖剣)今のうちに下がって


白銀ライト:くっ、なんて無力なんだ…


□:(戦士)無力?何言ってんだ?歯車ってのはみんな違うだろ


白銀ライト:え?


□:(戦士)できること、できないこと、それぞれだ、お前もお前の役割を果たせ


白銀ライト:僕の役割…?そんなのわかるわけが


□:(戦士)ここが知っている。。

□:(戦士)お前が何ものなのか。全て自分次第だ、忘れるなよ

□:(戦士)勇者!今行くぞ!


白銀ライト:自分次第…僕はなぜ…


吾輩ちゃん:(ボス鬼)オオオオニオニオニオニオニオニィ!


○:(勇者)ゴォォォゴツゴツゴツゴツゴツゴツボォ!


□:(戦士)もぉぉぉきもきもきもきもきもきもきぐきぃ!


白銀ライト:くぅっ、余波がここまで…!


▲:(聖剣)ハァッ!


白銀ライト:結界…?


▲:(聖剣)どうせゴツボは私を使ってくれないから、あなたを守ることにしたわ


白銀ライト:あ、ありがとう

白銀ライト:(みんなできることをやっているのに、僕は…!)


吾輩ちゃん:(ボス鬼)オニィ!!


○:(勇者)ぐぅぅ


□:(戦士)ぐはっ


吾輩ちゃん:(ボス鬼)ニタイノセンシガ、タテツクカ

吾輩ちゃん:(ボス鬼)オニノソウイデアル、コノワタシニ!


▲:(聖剣)ゴツボ!もきぐき!


白銀ライト:だめだ、そもそも攻撃が効かないんだ!設定が違うから!

白銀ライト:設定…?そうか……!


▲:(聖剣)な、なにしてるの?


白銀ライト:応えてくれ…

白銀ライト:『ゼロコロン ライトは大ボス鬼の耐久力を下げた』

白銀ライト:どうだ…!


0:ライトは大ボス鬼の耐久力を下げた。


白銀ライト:よし!


吾輩ちゃん:(ボス鬼)オニ?


白銀ライト:なら『ゼロコロン ライトは大ボス鬼を元の世界へ戻した』


吾輩ちゃん:(N)【エラー】介入者により失敗。


白銀ライト:なっ!?吾輩ちゃんか!


▲:(聖剣)大ボス鬼にダメージが!


吾輩ちゃん:(ボス鬼)オ、、ニィッ


○:(勇者)さっきまでの威勢はどうしたん、だ!


吾輩ちゃん:(ボス鬼)グガァッ


■:(戦士)そそっかしいんだよ、お前は!


吾輩ちゃん:(ボス鬼)グゥゥ…


▲:(聖剣)いけるわ!


吾輩ちゃん:(ボス鬼)マダダ、マダオワランヨ…!

吾輩ちゃん:オオオオオオオニィィイイイイ


○:(勇者)最後っ屁か


■:(戦士)そんな見え見えの叩き付け


▲:(聖剣)当たるわけないわね


白銀ライト:いっけーー!!


○:(勇者)うぉおおおお!!


■:(戦士)うぉおおおお!!


吾輩ちゃん:(ボス鬼)オオニィイイイイ!!


○:(勇者)…

■:(戦士)…


吾輩ちゃん:(ボス鬼)オ……ニ……ズゥゥン


▲:(聖剣)やった!!倒した


白銀ライト:よかったぁ…

白銀ライト:…ん?

白銀ライト:なんだ?地面に亀裂が


○:(勇者)ふむ、さっきの叩き付けとあいつがが倒れた衝撃で


白銀ライト:え…?まさか、ピンポイントで僕のところに


■:(戦士)穴が開くのか?


▲:(SE)ピシピシピシピシ…


白銀ライト:いやいや


■:(SE)ビキビキビキビキ…


白銀ライト:あるわけない、よ


○:(SE):バゴーン


白銀ライト:ねぇぇええああああぁぁぁぁ……


▲:(N)気がつくと空に放り出されているライト


白銀ライト:ぁぁぁぁぁあああああああああ


○:(実況)なんと!!空から大量のお金や宝石、様々な道具が!!ガメツクッスが今までに溜めたモノが降り注いでくる!!当たったらただじゃすまないぞ!


白銀ライト:ああああああ、あでぇ!!


■:(フシギダナ)ダナッ!?


吾輩ちゃん:(デアイチュウ)デアッ!?


○:(実況)おっとぉ!?まさか人間まで、がめていたのか!?落ちてきた人がフシギダナに直撃ぃ!衝撃でデアイチュウが束縛から開放されるぅ!!


白銀ライト:痛てて…今度は【モンスターバトル】の世界か


▲:(トレーナーA)デアイチュウ急いで戻るんだ!


吾輩ちゃん:(デアイチュウ)…デア?


▲:(トレーナーA)落ちてるものを拾ってる場合じゃないだろ!?


吾輩ちゃん:(デアイチュウ)で?デアッ!


白銀ライト:こんなに宝石やらなんやら散らかってたら、

白銀ライト:たしかに拾いたくなるし、1つくらい取ってもーとか思っちゃうな


吾輩ちゃん:(デアイチュウ)デッ、デッ、、デア…


■:(トレーナーB)そんなにたくさん持ってどこへ行く?

■:(トレーナーB)ガメツクッス!【ガメツキ】だ!


■:(ガメツクッス)がぁめぇえ!!


吾輩ちゃん:(デアイチュウ)デ、デアァ!?


○:(実況)【ガメツキ】が決まったぁああ!持ち物の重さや数だけダメージが上がり全て回収してしまう凶悪な技だ!!デアイチュウさすがに厳しいか!?


吾輩ちゃん:(デアイチュウ)チュ…ゥ…


▲:(トレーナーA)デアイチュウ!!

▲:(トレーナーA)くっ、ミナーサン頼む!!

▲:(トレーナーA)ミナーサン…?どうした?


白銀ライト:あれ?ミナーサンのスマイル光線が飛んできてデアイチュウが復活するはずじゃ


▲:(ミナーサン)ミ…ナ…サ


○:(実況)なんだなんだ!?ボネモン達の様子がおかしいぞ?いや、会場全体が崩れていってる!?一体何が起こっていると言うんだぁ!?


吾輩ちゃん:「一体何が起こっているんだぁ!?」と聞かれたら

吾輩ちゃん:答えて上げるがにゃのにゃさけ

吾輩ちゃん:世界の平和を守るため

吾輩ちゃん:悪をつらぬくラブリーニャーミーな敵役


白銀ライト:やっぱり…!


白銀ライト:『ゼロコロン ライトの目の前に吾輩ちゃんが現れる』


吾輩ちゃん:その名も‐‐‐


0:ライトの目の前に吾輩ちゃんが現れる


吾輩ちゃん:にゃ!?


白銀ライト:捕まえた、なにやってるんだ?


吾輩ちゃん:今、かっこよく口上をあげてたのにー


白銀ライト:そんなのどうでもいい!説明しろ!


吾輩ちゃん:なにをにゃー?


白銀ライト:まだとぼける気か!これ全部お前のせいだろ!


吾輩ちゃん:にゃははー


白銀ライト:見ろよ、デアイチュウなんて


吾輩ちゃん:(デアイチュウ)デア…デアデア「はぁ…またブロックされた、ボクのこと好きって言ってたのに…マヂモォムリ…」


白銀ライト:これじゃあヘラリチュウじゃねぇか!


吾輩ちゃん:うまいにゃ!座布団あげるにゃ!


白銀ライト:うまいとかじゃねえって!

白銀ライト:元に戻せないだろ


吾輩ちゃん:…戻す必要があるのかにゃ?


白銀ライト:え?


■:(トレーナーB)ガメツクッス…?おい!返事をし、ろ、よ


▲:(N)世界は止まり。揺れ。裂け。崩壊していく…。


吾輩ちゃん:にゃんのために扉を開けたのにゃ?


白銀ライト:それは…


吾輩ちゃん:何度目にゃ?これだけ繰り返しても何も変わらないにゃ、だから少しだけ手伝って上げたんだ


白銀ライト:手伝う?

白銀ライト:これは、これは、やっていいことじゃない!

白銀ライト:過度な干渉の繰り返しで境界線が


吾輩ちゃん:だから?


白銀ライト:っ!!お前なんかおかしいぞ?

白銀ライト:どの世界も考えて考えて、練って練って、時間をかけて、創り上げられた世界なんだぞ


吾輩ちゃん:創り上げられた…?ホントかな?

吾輩ちゃん:この世界も今までの世界も、全て、別の世界の模倣だろ?それこそ模倣先を穢す、貶める行為だ!


白銀ライト:それは


吾輩ちゃん:オリジナル!自分にしかできない!あの人だからこそ!ははっ、笑わせてくれる


白銀ライト:何を言って…


吾輩ちゃん:全てパクリなんだよ!

吾輩ちゃん:だったらそんなもの無くなってもいいだろう


白銀ライト:そんなことは、、


吾輩ちゃん:あるだろ!似たセリフ。似たシーン。似た展開。いるか?そんなもの


白銀ライト:…


吾輩ちゃん:まだ観光客気分なのかいライト?ただ見てるだけ。そこに価値なんてあるのか?


白銀ライト:ぐっ


吾輩ちゃん:お前は何者だ?

吾輩ちゃん:なぜここに来た?

吾輩ちゃん:どうしたいんだ?


白銀ライト:僕は、僕は…


吾輩ちゃん:どうした?

吾輩ちゃん:まだわからないのか?

吾輩ちゃん:決められないのか?


白銀ライト:僕は…

白銀ライト:書きたい!

白銀ライト:ただ書きたいんだ!

白銀ライト:一人の「小説家」として

白銀ライト:模倣と言われようとも

白銀ライト:頭の中で、激しく脈打つ世界を、外へ解き放ちたい!

白銀ライト:そのためにここへ来たんだ!


吾輩ちゃん:そうか、それが他人の盗作だとしても?


白銀ライト:盗作?違うね、リスペクト、オマージュ、パロディ。いくらでも言いようはある


白銀ライト:それにお前が言う通り、世の中の作品全て、何かの模倣だ

白銀ライト:だが!

白銀ライト:全く同じものを書いているわけじゃない!


吾輩ちゃん:ほぅ


白銀ライト:似ていても違う。そこが個性で味だ

白銀ライト:だからこそ、いろんな人が様々な作品をそれぞれ好む。そうだろ?


吾輩ちゃん:ふむ


白銀ライト:素敵な味を教えてくれたように、、僕も!書きたい!

白銀ライト:よりよい味を求め続けたいんだ!!


吾輩ちゃん:…なるほど、らしいことを言うじゃないか


白銀ライト:これでも一応「小説家」だからな


吾輩ちゃん:フッ、たまご、だろうに。。

吾輩ちゃん:では最後に一つ聞く


白銀ライト:なんだ?


吾輩ちゃん:『開けるな』と言われただろ?


白銀ライト:はぁ?

白銀ライト:ついにまともな会話もできなくなったのか?


吾輩ちゃん:にゃははは、ちょっと言ってみたかっただけにゃー


白銀ライト:はぁ…それでこの状況、どうすればいいんだ?


吾輩ちゃん:選択肢は2つにゃ

吾輩ちゃん:1つ!『この世界に残り、新たな物語を紡ぐ』

吾輩ちゃん:2つ!はい!『この扉を開き新たな可能性を探す』

吾輩ちゃん:どっちか選ぶにゃ


白銀ライト:そんなの決まってる…


吾輩ちゃん:おや、いいのかにゃ?


白銀ライト:ああ、ここは大丈夫さ、『ゼロコロン 崩壊は止まり、元へ戻る』


0:崩壊は止まり、元へ戻る


吾輩ちゃん:ゼロからかけたのにー


白銀ライト:時間はかかるかもしれないが、これで作品の力だけでも修復できる


吾輩ちゃん:確かにそうかもにゃだけど


白銀ライト:それにこの世界の味が好きな人だっているかもだろ?だから書けないよ


吾輩ちゃん:ふーん。別にそれでいいけど、、

吾輩ちゃん:この扉の先は、『今』の君にふさわしい場所に繋がってる…つまり


白銀ライト:また繰り返す、とでも言いたいのかよ


吾輩ちゃん:そうにゃ!


白銀ライト:ちっちっちっ…甘いな吾輩ちゃん。今の俺は

白銀ライト:いろんな世界を間近で見て、創作意欲バク上がり中なんだ、そんなことにはならない


吾輩ちゃん:にゃはっ、だから書きたいだけなら残って書いてればいいのにゃー

吾輩ちゃん:こんなチャンスなかなかないのにゃ!


白銀ライト:ふっ、まるで扉を通って欲しくないみたいだな、なおさらこっちを選ぶことに決めた!


吾輩ちゃん:にゃー、やめたほうがいいと思うにゃよー?

白銀ライト:いいや、僕は行く


0:扉に手をかける


吾輩ちゃん:わかったにゃ、合言葉を


白銀ライト:合言葉?あー、はいはい、ぼぼんぼんぼんぼん--


吾輩ちゃん:シャー!ボンボヤージュ!


白銀ライト:ごめ、ごめんって!


吾輩ちゃん:一応最後に言うけど、後悔することになっても知らにゃいにゃよ?


白銀ライト:いいさ、どんな結果でも。それも「経験」だろ?生かすも殺すも自分次第ってな


吾輩ちゃん:なんかすごいポジティブにゃね…


白銀ライト:ははっ、さぁ行くぞ

白銀ライト:「ボンボヤージュ」!!


○:(N)少年は光に包まれる


■:(N)扉の先で待ち受けるのは


▲:(N)新たな世界か、それとも…。


白銀ライト:(N)「物語」は紡がれ


吾輩ちゃん:(N)マワリマワル




《ジャンル》

SF シリアス

《あらすじ》

とあるジャンク屋船で働かされている少年少女達がいた。

《登場人物》

【J】男性。

年齢10~12。機械好き。好きなことに一直線タイプ。スラム街出身。作品内で3年時間が経過します。少年なので女性が演じても大丈夫です。

【K】女性。

年齢10~12。まじめで優しくJに振り回されがち。スラム街出身。作品内で3年時間が経過します。

【I】女性。

年齢14~16。ジャンク屋船内でJとKの同室で面倒を見てくれる2人にとってのお姉さん。AI、オペレーター(OP)ナレーション(N)の兼役があります。

【ガジル】男性。

年齢20代。ジャンク屋船の船員。典型的な下には強く、上にはへこへこタイプ。

【ボス】男性。

年齢40代。荒くれ者達をまとめあげるジャンク屋船の船長。

【偉い人】男性。

後半に登場。JとKが偉い人だと思ったので偉い人。実際偉い人。ボス役の方が兼役お願いします。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



J:ぉおおお!

J:見てよこれ!


K:…はぁ、また怒られるよ


J:これはすごいパーツなんだよ!


I:J、そろそろ見回りが…


ガジル:おい、てめぇまたサボってんのか?


J:ち、ちがうよ、見てよこれ


ガジル:はぁ?それがどうした


J:これを使えば作業用アームの伸縮効率が20%はよくなるよ!


ガジル:チッ、んなもんどうでもいいんだよ

ガジル:言われた通りの事をしろって何度言わせんだ、よっ!!


J:うっぐぅぅ


K:J!!


I:ガジル!あなた!!


ガジル:ああ?なんだ文句あんのか?

ガジル:言いたいことあるなら言えよ!


I:…


ボス:うるさいと思ったら、何油売ってんだガジル


ガジル:ボ、ボス!!さーせん、すぐ戻りやーす


ボス:早よ来いよー


ガジル:あーい!

ガジル:命拾いしたなガキ共。サボんじゃねぇぞ


J:つぅぅ…


K:J、大丈夫?


J:うん、なんとか


I:ガジルは理由をつけて鬱憤を晴らしたがるやつなのよ、気を付けてね


J:わかったよ、アイ姉


K:そもそも、あんたが遊んでるからでしょ


J:遊んでないって


K:遊んでた!


J:遊んでない!


K:むーー!

J:むーー!


I:はいはい、さっさと、やりますよー


K:ハッ!

J:ハッ!


I:また殴り飛ばされちゃたまらないでしょ、ほら、急ごうね


K:はーい!

J:はーい!


J:(M)僕達はスラム街にいた。

J:(M)気付いた時には親なんていなくて

J:(M)泥水を啜り、残飯をネズミと奪い合いながら生きていた。

J:(M)唯一の遊び場はよくわからない大量の廃棄物が捨てられている場所。

J:(M)そこでいろんなものを組み立てて、おもちゃにするのが日課になっていた。


K:(M)私は、気付いた。壊れたものを直して売れば美味しいご飯が食べられるんじゃないかって。

K:(M)だからこいつが遊びで直す物を売り捌いた。

K:(M)それがいけなかった。

K:(M)段々と売れて軌道に乗りかけた時、あいつらは来た。


ボス:『よぉ、これを、直したのはお前らか?』

ボス:『すごいな、この才能をこんな所で埋もれさせるのはもったいない。俺達の所に来い。』

ボス:『まぁ、拒否権はないんだがな。連れて行け。』


K:(M)こうしてこの自称ジャンク屋に捕まった。


ボス:『男はJ、女はKな。あ?名前なんか飾りだ。なんでもいいんだよ』


J:(M)僕はそれからJになった。


K:(M)私はKになった。


ボス:『同室のアイにいろいろ教えてもらえ。アイ、ちゃんと使えるようにしておけよ。』


I:『はい、わかりました。』


J:(M)薄暗い部屋がそこだけ明るく見えるほど、銀髪が輝くキレイな人だった。


K:(M)この人も私達と同じなのかな、と疑問に思うほどに。


I:『ちゃんとしてれば、ご飯も出るから、大丈夫、大丈夫よ。』


J:(M)アイ姉は優しかった。


K:(M)いろんなことを教えてくれた。


J:(M)だから頑張った。


K:(M)頑張れた。


J:(M)けど…。


K:(M)半年が過ぎた頃


ガジル:てめぇら、なにしてんだよ。仕分けすらできねぇのか!いつになったらできるんだぁ?


I:ガジル!私達、もう3週間もまともに休めてないのよ

I:この子達だけでも休ませて!


ガジル:なに舐めたこと言ってんだクソアマぁ!


I:きゃぁっ


ガジル:ん?あー、お前…そろそろ、、、

ガジル:ボスに相談だな


I:…え?


ガジル:ガキ共!てめぇらは今日メシ抜きな、ちゃんとやらねーと、明日も抜きにするぞ!


J:そん、な


K:う、ぅぅ…


I:ガジル…!

I:ほら、食べて


J:これアイ姉のだよ?


I:私は大丈夫だから


K:私達も大丈夫だよ、慣れてるから


I:いいの!2人が大きくなってくれたら私も楽ができるでしょ?


J:そ、そうなのかな


I:そうよ、だから食べて


K:…う、うん、ありがとぅ


J:ありがとう!アイねーーーー


ガジル:オラァァ、邪魔するでぇ


ボス:…お前、いつもそんな感じなのか?


ガジル:あ、いや、その、あれです、ノリっすよ


ボス:ああ、そう。それで?


ガジル:うすっ、ほら!アイのやつ見てください!いい感じでしょ


ボス:…ふむ。少し早い気もするが…他がもう使えなくなってきたしな


ガジル:おお!ということは…!


ボス:まぁ、よしとしよう


ガジル:さっすがボス!わかってるぅ!!


ボス:アイ、来い


I:え、あの…


ガジル:ボスが来いって言ってんだから早く来いよ!


I:ど、どういうことですか?


ガジル:わかってんだろ?見たよなぁ?前の部屋でよぉ…


I:…ッ!!


ボス:アイ、お前の番だ


I:い、嫌…!


ガジル:てめぇ!ボスの言う事が聞けねぇのか!


I:…


ボス:ならば、そうだな、K、あいつでもいいだろ


ガジル:ま、まじすか!いいんすか!


ボス:アイが無理なら現状、あいつしかいないだろ


K:え?私?


J:Kが選ばれるの!すごい!


K:J…絶対すごいことじゃないと思うよ…アイ姉、すごく嫌そうだもん


J:…あ、ほんとだ


ガジル:へっへっへ…K!こっちに来い


K:痛っ…離してぇ


J:K!


ガジル:いいから、来いってんだ、この!


I:待って!


ガジル:あ?


I:行くから!

I:私が行くから…


ボス:そうか。離してやれガジル


ガジル:ちぇー、ガキ、おまえの番まで楽しみにしとけよ


ボス:行くぞ、アイ


I:…はい、わかりました


ボス:にしても、お前、そっちもいけるのかよ


ガジル:何言ってんすか、あれくらいが意外といいんすよ?


ボス:…流石に引いたわ


ガジル:ちょっとボスぅ〜

……

K:アイ姉、大丈夫かな…


J:きっと大丈夫だよ


K:そう、だよね


J:寝よ、明日も頑張らないと



J:(M)その日からアイ姉の言葉が減っていった。


K:(M)毎日毎日どこかに連れていかれて


J:(M)日に日にやつれ、ボロボロになっていくのがわかった。


J:あ、アイ姉、これ食べて!


I:…え?


K:わ、私のも!


I:貰えないわ、それはあなた達のでしょ?


J:僕達に元気が無かった時にアイ姉くれた!


I:…そうね、でも、いらないのよ


K:そんなこと言わないで!


K:食べればきっと元気に


I:いらないって言ってるでしょ!!!

I:…ぁ


J:ご、、ごめ、ん、、


K:アイ姉が、元気に、なれば、と思って…


I:あ、、その、怒鳴ったりしてごめんなさい、その、私もちょっと疲れてて


J:アイ姉…


I:ありがとね、少しだけもら‐‐


ガジル:オラァァ!アイぃぃ、行くぞぉ


K:待ってよ!アイ姉疲れてるんだよ!


ガジル:ああ?なんだガキぃ?殴られてぇのか?


I:ガジル…行くから、やめて


ガジル:おーおー、すっかり物分かりがよくなっちゃって、アイ姉ちゃんに感謝だなーお前らー


J:アイ姉、無理しないでね


I:大丈夫よ


K:ご飯残しておくからね


I:大丈夫よ


ガジル:おら、行くぞ


I:…はい


J:(M)それから1週間、


K:(M)アイ姉に少しでも元気になってもらおうと


J:(M)ご飯を分けたり、こっそり作ったおもちゃを見せたり


K:(M)色々やった。


I:…ありがとね、二人共



J:(M)ほとんど無口になっていたアイ姉が


K:(M)そう言い残し連れ出されてから


J:(M)アイ姉は部屋に戻って来なかった。



K:アイ姉、どうしたのかな…


J:きっと別の部屋で作業してるんだよ


K:そう、だよね…


J:うん、だから大丈--


ガジル:ガキ共ー!手が止まってんぞ!!


J:…

K:…


ガジル:なんだぁその目は?


J:ア、アイ姉はどこにいったの?


ガジル:はぁ?アイ姉?、、あー


K:アイ姉戻ってきてない


ガジル:…まぁ、顔はキレイだったからな、昨日来たしょうかn


ボス:おい、ガジル!


ガジル:ボ、ボス!!


ボス:またてめぇはサボってんのか?あぁ?


ガジル:いやいや、こいつらがサボってたんすよ


ボス:…JもKも過去一で優秀だ、余計なことして使えなくするなよ、特におめぇはやりすぎる


ガジル:へ、へい…!


J:ど、どういうこと!?


ガジル:うるせぇな、黙ってろガキ!


J:うっ


K:J!


ガジル:チッ、ボスだって楽しんだくせに、壊したのを人のせいにしやがって


K:何言ってるの…?


ガジル:いいから早く作業しろ!ぁーあ、新しいの見つかんねぇかなー


J:(M)それからアイ姉が戻ってくるのを信じて


K:(M)地獄のような日々を過ごした。


J:(M)そして


K:(M)3年の月日が流れた。


J:(M)3年も経てばわかる。


K:(M)アイ姉は戻って来ない。


J:(M)アイ姉がどういう扱いをされていたのかも。


K:(M)私もきっといつかそうなるということも。


J:(M)けど、後から連れてこられたエル、エムと


K:(M)前の英字の抜けた所に入った女性が


J:(M)Kより歳上だったのもあって


K:(M)私の番はまだだった。



I:(AIロボ)『ワタシハジリツAIロボットX105ーSデス』


J:ぉおおお!Sシリーズ!


K:いいから、早く作業して


J:こいつのチップを使えば…!


K:もう!早くし、ろっ!!


J:あで!叩くなよ


K:見回りがくる時間よ


J:あ、、すまん、ありがとう


K:はいはい、さっさとしてよね


ガジル:チッ、まじめにしやがってつまらねーやつら…

ガジル:にしても、、、そろそろあいつ、いいんじゃねぇのか?


J:(M)こんな感じでちゃんと作業をこなしていた。


K:(M)そんなある日の就寝前……。


J:これをこうして、こうすれば…


K:あんた、よく飽きないよね


J:えー、だって面白いじゃん


K:全くわから‐‐


ガジル:オラァァ!邪魔するでぇ!


J:ッ!

K:ッ!


J:…どうしたの?ガジル


ガジル:Jぃ、これが何かわかるか?


J:それは…展開式拘束射出銃?(てんかいしきこうそくしゃしゅつじゅう)


ガジル:おー、さすがだな、ほれ、バンバーン


J:は?うっ、、ぐぅぅ


K:J!?ガジルなにして…!


ガジル:Kぃ、お前もいい感じになってきたよなぁ


K:ちょ、やめっ


ガジル:ボスがよぉ、アイ以降、壊れないようにって交代制にしちまったんだよ


K:はぁ?


ガジル:だからみーんな困ってんだ

ガジル:クソほど船員がいるんだから1回終わるとよ、、

ガジル:どんだけ待たねーといけねーんだって話だよなぁ!


J:ガジル、お前…!


ガジル:うるせぇなぁ、黙ってろ


J:ぐぅぅうあああ


ガジル:へっ、気絶しない程度に痺れるようにしてある。特等席で見てな


J:ぐぅぅぁ、く、そ


ガジル:ん〜、ガキん頃からいいとは思ってたけど、やっぱ俺の目に狂いはなかったなぁ


K:や、やめ…


ガジル:ぎゃははっ、いいねぇ、最近のは、もう慣れちまったやつらだからよぉ、そういうのが見たかっ---


J:らぁああ!!


ガジル:うっぐ…こいつ、もっと強くしてや‐‐


I:(N)ドォンという音が突然響き渡り、船が揺れる


ガジル:ああ?てめぇなにした?


J:い、いや、何も…


ガジル:じゃあなんだってんだ


I:(N)突然けたたましく警報音が鳴る。


I:(OP)『総員第一種戦闘配備!パイロットはドックへ急いで下さい!繰り返します!総員第一種戦闘配備!パイロットは…』


ガジル:はぁ?俺たちジャンク屋がなんでそんなことになる

ガジル:チッ、ここ一応通信機あったよな


K:そ、そこに


ガジル:旧型かよ、まぁいい


ボス:『今は戦闘配備中だ、てめぇらは静かに…ってガジル、そこて何してる』


ガジル:へ、へへ、ちょっと見回りを…それよりなにがあったんす?


ボス:『はぁ、おめぇはほんとに…まぁいい。アブサードのやつらだ、あいつらが来やがった』


ガジル:は?【宙運私警団】が!?なんで


ボス:『知るか!誰かがヘマこいたのか、なんなのかわからんが、てめぇもさっさと出撃しろ!』


ガジル:へ、へい!

ガジル:なんでこのタイミングに…くそ!


I:(N)走り去るガジル。


K:な、なにが…


J:ぐぅぅう


K:J!今助けるね


J:あり、がと、うぅ…


K:…これで、どうかな


J:おぉ、外れた、助かったぁ


K:…助かってはないような


J:確かに、、ずっと爆発してる音がする


K:大丈夫かな


J:……眠いから寝てもいいかな


K:あんたねぇ…


J:明日も早く起きないと


K:はぁ…



J:(M)少しだけ目を瞑っただけだったのに


K:(M)次に目を開けた頃には終わっていた。


J:(M)一方的だったようで


K:(M)すぐに制圧されたらしい。


J:(M)そして僕らは


K:(M)たぶん、そこの偉い人に呼び出されていた。



偉い人:さて、君たちがJとKかな?


J:そう、ですけど


偉い人:そんな警戒しなくていい、少し話がしたいだけだ


K:話ってなに


偉い人:君達は事故があった場所やデブリ帯の廃船等から使えるものを取っていたんだな


J:そうだよ、ジャンク屋だから


K:廃品回収行為は正式に認められてるはずよ


偉い人:申請があれば、な


J:…え?


偉い人:君達はいわゆる、非合法ジャンク屋だったわけだ


K:そんなわけない


偉い人:わけ、ないんじゃないのかな。君らがされてきた事を考えても、明らかにおかしいと思うけど?


J:…どこかで、そんな気はしてた


偉い人:そうか


K:ということは私達、犯罪者…?


偉い人:そうなるね


K:そんな…!


偉い人:だが、我々は優秀な人材を求めてる


J:へ?


偉い人:J、君だったんだね、こちらの回収班が向かった時、『非合法ジャンク屋なら絶対持っていかないパーツまで盗られてる』なんてよく驚かれていたよ


J:えーっと


偉い人:ああ、怒ってるとかではなく、すごい、と言いたいんだよ。ああいう環境下でそういう判断ができる人は中々いない


K:J、よかったじゃない


J:う、うん


偉い人:K、君もそんなJと共に作業をこなし、しかもあの船の中ではトップだったとか


K:そうなの?知らなかった


偉い人:他の子達が言ってたよ


J:あ、その子達は…


偉い人:みんなこちらで保護するよ、大丈夫だ


J:そっか、よかった


偉い人:こちらもよかったよ。君たちを見つけられて


K:どういうことですか?


偉い人:先週、ある違法娼館船を拿捕したのだよ。そこにいた銀髪の女性が


I:『身寄りの無い子供達を攫って奴隷のように扱うジャンク屋があるんです。。そこにJとKと呼ばれてる子達がいるの。助けてあげて欲しい!お願いします…!』


偉い人:と、君達のことを教えてくれたんだよ


J:ア、アイ姉だ…


K:アイ姉、生きて…!


J:どこに、どこに行けば


K:会えますか…!


偉い人:…


J:あの、僕達アイ姉と同部屋で


K:助けてもらってばかりで、私達何も…


偉い人:彼女は、もういない


J:え…


K:それって


偉い人:よほど酷い目にあったのだろう。救助した時には既に全身にウィルスや菌が回ってしまっていた

偉い人:医師がこの状況で生きていたのがおかしいと言うほどだったよ。きっと君たちの事が…いや、言うまでもないか


J:…くっ、うぅ…アイ、姉…


K:私達…最後まで、アイ姉に…


偉い人:…さて、泣きたい所すまないが、私も忙しいのでね


J:…逮捕、ですか?


偉い人:いや、君達次第だよ


K:優秀な、人材をって話?


偉い人:そう、ちょうど回収班に2名空きが出ててね。そこに入ってくれるというのなら、お咎め無しにしてあげよう


J:それは…


K:そんなの選択肢なんて…


偉い人:無いのか?自由に選べるんだ。好きにしたらいい

偉い人:だが、散々いろんなものを奪われてきたんだ。それらを取り返すチャンスをみすみす逃すのか?


J:僕、、いや俺は、やる…やってやる!


K:J…!私だってやるわ!


偉い人:よかった、そう言ってくれると信じていたよ。

偉い人:ふむ…そうなるとJとKじゃ呼び辛いな、、


偉い人:よし、ジェイクとケイラ、これでどうだ


J:ジェイク…


K:ケイラ…


偉い人:安直な名前だがな、許してくれ


J:いい!ジェイク!ジェイク!


K:まぁ、悪くないわね


偉い人:それからこれを渡しておく。超小型作業用ボット。中にAIが入ってる。こいつからいろいろ聞いてくれ


I:(AI)ヨロシクオネガイシマス


J:なんだこの箱型ロボット!


K:うわぁ…これはジェイを刺激しちゃう


J:ジェイじゃないぞ!ジェイク、な!ケイ!


K:あんたこそ!ケイじゃなくてケイラ!


J:むーー!

K:むーー!


偉い人:オッホン!


J:ハッ!

K:ハッ!


偉い人:大丈夫そうだね。ならば外に出て案内に従ってもらおうかな


J:はーい!

K:はーい!


I:(AI)デハ、コチラニ…


J:(M)こうしてぼ、俺達は宙運私警団のいる【宙運連】の


K:(M)回収班に所属する事になった。


J:(M)入ったところがまたとんでもないチームだったんだけど


K:(M)それはまた別のお話。



ボス:(N)これは奪われた者達が


ガジル:(N)様々な事件や謎に巻き込まれながらも解決し


I:(N)取り返していく物語。。。


J:(N)ローヴァーゲイル外伝


K:(N)『レトリーバー』


I:(N)コワレヌモノ



おしまい




《ジャンル》

SF 日常

《あらすじ》

宙運連所属の回収班。ジェイクとケイラは今日も今日とて作業に追われている。

《登場人物》

ジェイク:男性。年齢16~18。機械好きで好きなことに一直線タイプ。元非合法ジャンク屋所属。

ケイラ:女性。年齢16~18。まじめで優しい分よくジェイクに振り回されている。元非合法ジャンク屋。

キュロ:性別不問。高性能Ai搭載の小型作業ボット。船内では立体映像でコミュニケーションを取ったりもする。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


0:とある回収船内の仕分け作業ドッグ。


ジェイク:ぉおおお!

ジェイク:見てくれよこれ!!


ケイラ:いいから、手を動かして


ジェイク:これはヤバい!限定のパーツだぞ、こんな貴重な物があるなんて!


ケイラ:はいはい、それでキュロをまた改造するのね


キュロ:いえ、このパーツによって私を改造することはできないかと


ケイラ:なんでよ


ジェイク:これは!原始型AIのチャット返答速度を飛躍的に上げた伝説的外部ツールなんだよ!!


ケイラ:は?


ジェイク:もう手に入らないと言われていたのに、、、

ジェイク:まさか見つかるなんて、たまんねぇ!!


ケイラ:ふんっ!


ジェイク:いでっ!


ケイラ:いいから!早く!仕分けして!!


ジェイク:いでっいでっ、わかったわかったって


ケイラ:また私達の班が最後になっちゃうでしょ


キュロ:デルク班とリズ班は既に最終作業に取り掛かってますね


ケイラ:あーもう!ジェイ!急いで!


ジェイク:わかったから、ジェイじゃなくてジェイクなケイ!


ケイラ:ッ!

ケイラ:あんたこそ!ケイラって呼びなさいよ!


ジェイク:ぐぬぬぬ!


ケイラ:むぅー!


キュロ:おっとリズ班の作業が終了したようですね


ジェイク:ハッ!

ケイラ:ハッ!


ジェイク:またドヤされるのだけは勘弁だぁああ!


ケイラ:なんで毎回こうなるのよぉおお!

……

ジェイク:はぁ…はぁ…


ケイラ:はぁ…はぁ…


ジェイク:終わったあ…


ケイラ:なんとか、間に合った、わね


キュロ:いえ、3分オーバーです


ジェイク:ええええ!


ケイラ:あんたのせいよ、ほんと、、


ジェイク:俺は余裕を持ってやることが大事だと思うな、うん、心の余裕ってやつ


ケイラ:…はぁ、そもそも、ここで見つけたものは持ち帰れないんだから黙ってやりなさいよ


ジェイク:ふっふっふっ、わかってない、わかってないなぁ


ケイラ:あーめんどくさくなりそう


ジェイク:すごいものを見てすごいと、美しいもの見て美しいと言ってしまうように、これは反射なのだよ。理解できるものにしか理解できないことがあるように、ね


ケイラ:理解できそうで1ミリも理解できないわ


キュロ:全班ブリッジに招集がかかりましたよ


ジェイク:ぐぅ、行きたくねぇ


ケイラ:行きたくなくても行かないとでしょ、ほら


ジェイク:はーい

……

ジェイク:なんか、いつもより言われなかったな


ケイラ:そうね、どこか焦ってた?感じがあったわ


キュロ:どうやら他の航路内でまたトラブルが発生したようですよ、それもかなり大きな


ジェイク:それで急いで戻ろうってことになってたのか


ケイラ:…待って、つまりそれって帰還後、最終分別して即出発てこと?


ジェイク:おお!いいなそれ!


ケイラ:いいわけないでしょ!何日目よ、そろそろゆっくり休みたいんですけどぉ!


キュロ:4日と13時間ですね


ジェイク:大したことないな


ケイラ:大したことあるわよ


ジェイク:あの頃に比べたらマシだろ?


ケイラ:…そりゃそうだけど


ジェイク:じゃあ大丈夫だな!次の現場には何があるかな〜


ケイラ:なんでそんな元気なのよ


ジェイク:そりゃ楽しいからだよ


ケイラ:…聞いた私がバカだった


ジェイク:どんまい☆


ケイラ:こんの…!


ジェイク:まぁでもさ、俺達はやるしかないでしょ

ジェイク:今じゃこんなに自由なんだし


ケイラ:それも…そうね


ジェイク:世界はこんなにも広いなんてさ、思わなかったじゃん


ケイラ:たしかに、、でもあの時、選択肢なんて


ジェイク:無かったにしろ、これが自分達の選んだ道なんだ


ケイラ:うん


ジェイク:だから、取り戻そうぜ!いろんなものを!

ジェイク:そして

ジェイク:最強のキュロを作ってやるぜ!!


ケイラ:…ちょっと感動しかけたけどやめた


ジェイク:なんだよ!いい事言っただろ、なぁキュロ!


キュロ:いい事かどうかはわかりませんが、ジェイクとケイラと出会い、私が他の作業ポッドよりも高性能化した事は間違いありませんね


ジェイク:おお!さすがキュロ、わかってるねぇ!


ケイラ:…あ、あのさ


0:ゴォンと鈍い音が響く


ジェイク:おっ!着いたか、さっさと作業して次に行くぞぉ!

ジェイク:あれ、なんか言ってた?


ケイラ:なんでもない!

ケイラ:いつもいつも、その「さっさと」ができないんでしょーが!


キュロ:デルク班リズ班はもう作業に取り掛かってるようですね


ケイラ:ほらっ!早く行って


ジェイク:あでっ、だから叩くなって


ケイラ:…ありがと


ジェイク:え?


ケイラ:ほら早く!


ジェイク:はいはいー


ジェイク:しゃあ!

ジェイク:ジェイク班、作業開始だぜぇ!


おしまい