とけてきえて【3分~】

とけてきえて

【あなた】性別不問

ご自由にどうぞ。


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「こんにちは」


「はじめまして」


よくある初対面の会話。


「もう何度か?」


「そうなんですね」


よくある日常。


「お疲れ様でした」


「また、よろしくお願いします」


よくある出会い。


そんなありきたりな出来事だったのに。



「こんにちは」


挨拶するのが当たり前になって


「また、よろしくお願いします」


約束するのが当たり前になって


朝起きて顔を洗うように


食べたら歯を磨くように


君との出会いが日常にとけていた。







「好きです」




そんな言葉がお互いに出るとは思っていなかったのかもしれない。


そんな気持ちを表すとは思っていなかったのかもしれない。



でも



出て来てしまった。


かたくかたく


つめたくつめたく


カチコチと動く事すら無かったモノが


音を立て崩れ



そして


とけてとけてとけて


混ざり合った




「よかった」


あなたに出会えて


あなたと過ごせて


あなたが居てくれて



幸せを見た。


そう思う。









そう






思っていたかった。






甘くて甘くて


それでいて


くどくない。


手を伸ばせば伸ばすほど


貪って貪って貪って


止まらなくなって。





なぜだろう




あの頃はなんともなかったのに



今は口の中が痛くて痛くてたまらない。



それでもやめられない。


わかっていても


みえていても


その甘さに惹かれてしまう。


求めてしまう。




そんな君との時間は


まるで


カミソリの入ったアイスクリームのようだ。




その痛みすら


心地がよいと感じているのかもしれない。




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おしまい

どでかぬれの台本置き場

サクッと短め台本多めです。

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