【不問3】妖怪観察~オシオマダム~【6分~】

《ジャンル》

ホラー コメディー

《あらすじ》

ホラーっぽいオシオマダム。


「いつまで起きてるの!夜更しするとオシオマダムになっちゃうよ」

今日もどこかで子供に言い聞かせる親の声が響く。


《登場人物》

【先輩】性別不問

超常現象対策課の先輩

【後輩】性別不問

超常現象対策課の後輩

【マダム】性別不問

ヨウカイ オシオマダム。SEが()表記であります。口で表現して頂ければと思います。


※(N)はナレーションです。全役一言二言有り。

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マダム:(N)「いつまで起きてるの!夜更しするとオシオマダムになっちゃうよ」

マダム:(N)今日もどこかで子供に言い聞かせる親の声が響く。


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後輩:せんぱーい、ほんとに来るんですかー?


先輩:来るよ


後輩:えー、わざわざムクドナルドに来て店員やって、何も無かったら怒りますよ?


先輩:いいからさっさと客の対応しろって


後輩:うぇー、はいはい、いきますよー

後輩:『いらっしゃいませーご注文はお決まりでしょうか?』


先輩:ーーーオシオマダム。1度現れると対処するまで現れ続けるといわれる妖怪。

先輩:さて…そろそろ時間だが…


マダム:(SE)カッカッカッカツカツカツ(ヒールで走る音)

マダム:(SE)ウィーンッ(自動ドア)


後輩:『いらっしゃいませー、順番にお並び…』


マダム:ヒュー、ヒュー…(粗い息)

マダム:(SE)カツカツカツカツ(ヒールで段々近付く音)


後輩:…ぇ、え!?


マダム:(SE)カツカツカツ!!(ヒールで素早く近付く音)


後輩:(小声)せ、せせんぱい!!あの人上半身ブレずにすごい速さでこっちに来るんですけどぉお!!?


先輩:ついに来たな…!


後輩:ま、まさか!


先輩:オシオマダムだ


後輩:ちょっ、もう目の前まで…!


マダム:…オイモ、クダサル?


後輩:…へ?


マダム:オイモクダサルー?


後輩:あ、え、あ、ポテトですか?


マダム:オシオハケッコウデス


後輩:は、はい。ポテトですね…ぁ


マダム:…。


後輩:あの、ですね、お時間の方がですね、もう朝モックの時間になるので、ハッシュドポテトになるのですが


マダム:ホソイノハ


後輩:えっと、今からですとハッシュドポテトしか…


先輩:…くっ、やはり切り替えの時間を狙って…!


マダム:オイモタベレマセンノ?


後輩:いや、ポテトはあるんですけど、ハッシュドポテトしか無理なんーーー


先輩:(小声)おい!なんとしても出せ


後輩:(小声)無理ですよ、お手伝いできてる自分達が勝手にそんなことしていいわけないでしょ!


先輩:(小声)それでもだ…!じゃないと


後輩:(小声)じゃないと?


マダム:…キ、


後輩:き?


マダム:キェエエーーーーー


後輩:ぇええ!?


マダム:レレレレイトウコ!!!アリマスデショウ!!!


先輩:間に合わなかったか


マダム:ゾンジアゲテマスワァあア!!ハやク…!!ダシナサァあアぁイ!!!!


後輩:う、うわああああ、どうなってんすかこれええ!?


先輩:オシオマダムは、細い、あのいつものポテトの塩抜きさえ出せればただのおばさんなんだ


後輩:ただのおばさんじゃないですよね!?ずっと斜め45度の角度でこっち向いて動いたり喋ってたんすよ!?


先輩:だが、提供出来なかった場合、、本性は顕わし…クレーマーダムーになるんだ!!


後輩:く、くれー?え?なんて!?


マダム:ァアアア、オイモ!オシオ!!


先輩:まずい!避けろ後輩!!


後輩:こんな暴れ散らかしてるのにどうしーーー痛っ


先輩:まさか、お前、今


後輩:いたた…爪が掠っただけですよ


先輩:ちぃ…


後輩:なんでそんな顔しテるんすか?


先輩:手遅れか


後輩:何いいっててんスかかかヵカ…、、あレ?


先輩:夜遅くからこんな時間まで起きている者がオシオマダムに触れられると


後輩:せ、せんパぃ、シォんな、いゃダ。センぱイ。も…ゥゥア


先輩:オシオマダムにされてしまうんだ!!


マダム:ヒュー、ヒュー、ホホ、オホホホ


先輩:仲間が増えて嬉しいってか?だが後輩はそんなヤワじゃねぇんだ!なぁ、後輩!!


後輩:オシオ、ケッコゥデス。オイモイモイモクダサササルークダサルー。


先輩:…。


マダム:…。


先輩:このバカヤロぉーー!!


後輩:アイタッ。アナタナニスルノ!キェエエ!!


先輩:くそ、こうなったら!チーフさんよ!そこを退くんだ!


後輩:オシオシオシオオシオシオ


マダム:オイモイモイモオイモイモ♫


先輩:おらぁ!喰らいやがれ!!

先輩:必殺!廃棄塩抜細揚芋《ディスカーディッド・シルバレッド・フレンチフライ》!!


後輩:ンガッ…もぐもぐ…ゴクン


先輩:どうだ…!


後輩:オシオ…


先輩:ダメか…!?


後輩:シお…し……ハッ!?

後輩:自分は一体…?


先輩:ふっ、あいつになってたんだよ


マダム:イモ…イモイモォシオ!!!


後輩:…え、まじすか…?


先輩:まじだ


マダム:シオソオシオケッコウデス!!!


先輩:はいはい、ほらよ!好きなだけ喰らいなぁ!!


マダム:キェェェエエ工!!!シュバババッ!!!


後輩:な!?身体は一切ブレずに一瞬で宙に待ったポテトを回収して


マダム:(SE)カツカツカツ!(ヒール音)ウィン(自動ドア)カッカッカッ‼(ヒール音)


後輩:消えた…だと!?


先輩:あれがオシオマダム。ポテトごときと油断したが最後、純粋な戦闘力で言えば上位の妖怪すら凌駕する。気を付けろ


後輩:は、はい、わかったす…!


先輩:よし、そんじゃ帰るか


後輩:うぃっす!あ!朝モック買って行きましょーよー


先輩:塩抜きか?


後輩:塩抜きじゃなくていーですー!


ーーーーーーー


マダム:(N)暁に染まる。


先輩:(N)そんな時間まで起きていると…

 

後輩:(N)ほら、今日もどこかでーーー


  

マダム:オイモクダサルー。



 

0:おしまい


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